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その後、小川さんはこれまで以上に仕事に邁進し、周囲に遅れながらも46歳で課長に就任します。仕事を女性に好かれるための手段ではなく、仕事自体にやりがいを感じられたのは幸いでしたが、「出世圧力」と、「男たるものモテなければいけない」という「モテ信奉」の根深さを感じた取材でした。

かつては「半径5メートル以内」で相手が見つかった

――男女ともに結婚できない人が増えている印象があります。なぜ結婚できない人が増えているのでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」では、「結婚できない理由」として最も多い回答は男女ともに「適当な相手にめぐり会わない」という傾向が20年以上続いています。しかし、出会いの数が多すぎることがかえって結婚を遠ざけていると私は考えています。

昔は、職場など身近な半径5メートル以内で巡り合った人をいい意味で、“運命の人”だと思えました。出会いに溢れた現在は、そうした尊さが全くありません。「来週また婚活パーティーがあるから」などと思うと、男女ともに相手の良いところを見つけるのではなく、粗探しをしてしまいやすく、「選択」ではなく、「排除」に陥ってしまっているのです。

2020年の国勢調査を基に国立社会保障・人口問題研究所が算出した男性の「50歳時の未婚割合」は28.3%と、3人に1人に迫る勢いです。結婚したいのにできない人の割合が、なおいっそう増えています。現在の状況が続けば、男性の孤独や孤立を強め、自殺者数の増加といったより深刻な事態につながりかねません。

女性が求める男性の条件はますます厳しくなっている

――本書では女性が求める「理想の男性像」がさらに厳しくなっていると指摘されていました。

女性は変わったと言われていますが、男女のマッチングにおける本音の部分は変わっていません。これは既存の意識調査などでは女性が本音を明かさないケースが多いため、ほとんど出てこないことです。学歴と経済力は依然として重要ですし、それに加えて家事力や育児力を求められていることを考えると、条件はむしろ厳しくなっています。