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「40万円以上だと思います」(柴田さん)

筆者から見て、母親は、当時教団が販売した商品をほぼコンプリートしており、かなりのお金を使ったと思われます。それだけマインドコントロールされていたことが分かります。

「母親から教団の関連施設であるビデオセンターにも行くようにいわれました。そこで私は勉強することになりました。そしてセミナーにも参加しました」

しかし柴田さんはセミナーに参加したものの深入りせず、次のトレーニングには進みませんでした。なぜ、次のステップに進むことを拒むことができたのだろうか。その理由について、柴田さんはこう話す。

「自分のためにお金を使うのはサタン的な堕落した考え」

「当時、私は自立するためにお金を貯めていました。ところが、ビデオセンターの担当者が、『そのお金は神のために使うべきだ』と言うのです。私は反発しました。その後、その上の立場の女性信者との面談もありましたが、彼女からも『自分のためにお金を使うことは、サタン的な堕落した考えだ』とこっぴどく叱責されました」

これは教団がよく使う手口で、個人的面談を通じて、相手の資産を吐き出させようとします。彼女は女性信者の言葉を頑なに拒み続けたため、幸い親元を離れて一人暮らしすることができました。

しかし、母親が旧統一教会という恐ろしい沼にはまっている柴田さんの本当の苦労はここから始まります。

「母は、献金するために多額のお金を借り続けました。当時は、統一教会の聖地である、韓国の清平(ちょんぴょん)で行われた、先祖解怨(先祖の罪を清め、呪いを解く)のための修練会があり、母もたびたび訪れて献金をしていたようです。

借りては返すという生活を何度も続けていくうちに、借金できる限度額がきてしまったようです。それでも母親は献金などのノルマを果たそうとしたのでしょう。ある時、私に信者からお金を借りたので、『そのお金を返さなければいけない、生活費が足りないので、お金を貸してほしい』と言うのです。そこで、私はカードローンでお金を借りて数万円を貸しました」