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《チャイニーズドラゴン乱闘騒ぎの全真相》出所してきた主役に別派閥の男が殴りかかり、約10人が大立ち回り…「もぬけの殻の会場は料理やビール瓶が散乱し、テーブルはひっくりかえっていた」

 東京・池袋の家族連れに人気のスポット「サンシャインシティ」で勃発した乱闘騒ぎが大きな注目を集めている。事件が起きたのは10月16日18時半頃。「サンシャイン60」の58階に入るフレンチレストランの従業員から、「客同士がケンカして暴れている」と110番通報が入った。社会部記者が解説する。

「その日は18時から“準暴力団”に指定されているチャイニーズドラゴンのメンバーら約100人が集まり出所祝いのパーティーを開いていました。最大400人収容できる会場ですが、この夜は団体の貸し切りでした。18時半頃、会場に別のグループとみられる男性らが到着するとすぐに殴り合いが始まり、それをきっかけに約10人が大立ち回りを演じたようです。従業員の通報を受けて警視庁巣鴨署員が駆け付けた時には、軽傷の20代男性一人が残っていただけで会場はもぬけの殻。店内には料理やビール瓶が散乱し、テーブルはひっくり返っており、乱闘のすさまじさを物語っていたといいます」

写真はイメージです ©iStock.com

「怒羅権とチャイニーズドラゴンは厳密にいえば別物」

 祝いの席でも乱闘騒ぎを起こすようなチャイニーズドラゴンとは一体どのような団体なのか。「チャイニーズドラゴンと聞いて、かつての暴走族『怒羅権』を思い浮かべる人も多いようですが、厳密に言えばふたつの組織は別物です」と語るのは、チャイニーズドラゴンをよく知る人物である。

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「暴走族の怒羅権は、1980年代に中国残留孤児2世、3世の子供を中心に葛西で結成された不良組織です。窃盗や傷害事件など過激な犯罪行為を行い、警察も手を焼く存在でした。そして、怒羅権の初代総長が暴走族から足を洗った後に、一部の仲間とともに90年代に日本へ流れ込んできた不法滞在者や密入国者を取り込んでマフィア化していったのが、チャイニーズドラゴンのはじまりです。暴走族の怒羅権のメンバーが、マフィア化したドラゴンに入るケースも少なからずありますが、ほとんどが18、19歳で卒業して、後は普通の社会人になりますから、暴走族怒羅権=チャイニーズドラゴンというわけではないんです」

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 90年代の日本には職と金を求めて不法に渡航してきた外国人が溢れていた。何のアテもなく日本にやってきた彼らにとって、日本語を操り裏社会にも精通した元暴走族の中国残留孤児2世、3世らの存在は大きく、自然と人が集まるようになったのだという。

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