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ドラマ偏愛コラムニストが選ぶ“月9”の「今見ることができない密かな名作」と「主演俳優ベスト3」

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genre : エンタメ, テレビ・ラジオ

フジテレビの月曜9時のドラマ枠「月9」。日本のドラマ史を代表する作品を放送してきた伝統ある放送枠だが、ここで最も評価されるべき俳優は誰か。ドラマ偏愛コラムニストの吉田潮さんが選んだ「月9」ドラマ「俳優ベスト3」とは――。

フジテレビ社屋(写真=https://www.flickr.com/people/maguisso//CC-BY-2.0/Wikimedia Commons)

「月9=恋愛モノ」の時代は過ぎ去っている

朝ドラ・大河・日曜劇場以外に、固定のドラマ枠として語られることが多いのが「月9」だ。短縮形の愛称の親しみやすさに加えて、トレンディドラマや恋愛ドラマでヒット作を連発した全盛期の印象が強いからだろう。

80年代後半はトレンディドラマ黄金期で、“ぷっつん”やら“びんびん”の「擬音系職業モノ」、「君」シリーズ(瞳をタイホしたり恋したり、嘘をついたり)が話題になった。

90年代に入ると、バブル期の浮かれた空気を抑えた恋愛ドラマが主流に。『東京ラブストーリー』(1991年)、『101回目のプロポーズ』(1991年)、『ロングバケーション』(1996年)、『ラブジェネレーション』(1997年)、『やまとなでしこ』(2000年)あたりが今でも多くの人に語り継がれている。視聴率も20~30%という時代で、たとえ見ていない人でも、月9=恋愛モノという刷り込みがある。

では今はどうか。日本のドラマを見ない人、華々しい月9を知らない世代も増えた。オシャレな人々の素敵ライフに興味もなければ、ドラマに恋愛要素は不要と感じる人も増えた。みなさん、とっくに「月9はこうでなきゃ」という呪いから解放されているのだ。

過去の月9ブランドにこだわっているのは、実はオールドメディアと中高年だけで、全体的には「面白ければ枠はどうでもいい。TVerやサブスクで見るから、月曜も9時も関係ない」というのが実態ではなかろうか。

主流は堅実なメディカル路線と本格ミステリー

実際、ここ数年の月9は、メディカルもしくはミステリーが主流だ。枠を変えて月9に移動した『コード・ブルー』(2008・2010・2017年)のヒットを皮切りに、窪田正孝主演で放射線技師を描いた『ラジエーションハウス』(2019・2021年)、上野樹里主演で東日本大震災を描き続けた『監察医 朝顔』(2019・2020年で、season2は2クールぶち抜き)、波瑠主演で夜勤医師の憂いを描く『ナイト・ドクター』(2021年)、そして10月にスタートするのは吉沢亮主演「PICU 小児集中治療室」である。