
西森 志保
にしもり・しほ
日本生命保険相互会社
ヘルスケア事業部
ヘルスケアコンサルティング
担当課長
保険会社は、これまで「リスクに備える」商品を提供してきましたが、「リスクを抑える」ためのヘルスケアサービスの提供も、今後は重要な役割になると考えています。
日本生命が自治体・企業向けに提供する「糖尿病予防プログラム」は、血糖変動のセルフモニタリングをICT機器で行い、保健師が遠隔で指導する3カ月間の生活習慣改善プログラムです。2020年7月の提供開始以来、累計65団体が導入し、約2000名が参加しました※1。22年3月までの実績は、平均完走率95・2%、平均グルコース値※2の改善率66・1%、血糖値スパイク回数の改善率74・2%という高さです。
これに大きく寄与しているのが保健指導です。住む地域、生活スタイルに寄り添うアドバイスを特長としており、参加者からは、「階段を使うようになった」「早食いが改善した」など行動変容をよろこぶ声が多数寄せられています。
中小企業などが導入しやすい新プランも21年に提供開始
生活習慣の改善には「気づき」が必要です。血糖変動をリアルタイムで知ることにより、「食後こんなに上がっていたのか」と驚く参加者は多く、その気づきを保健師と共有し、アドバイスを実行することによりデータが改善する――というプロセスが参加者の意識を変え、行動変容につながります。
大きな成果を実感する一方で、「もう少し低価格・短期間、簡易的なプランを」との声が、「糖尿病予防プログラム」の導入団体から聞こえてきました。加えて、新型コロナウイルス感染拡大による生活習慣病対策の重要性の再認識等の外的変化もあり、新たに開発したのが、「じぶんで血糖チェック(血糖変動チェックプラン)」です。
血糖変動セルフモニタリングに特化した2週間のプランで、中小企業などにも手軽に導入していただけるものになっています。保健師の介入はないものの、測定結果を踏まえた「ワンポイントアドバイス」「コラム」を専用サイトで配信。ご本人向け総括コメントと契約団体向けレポートも提供し、参加者満足度は86%です。

また、「糖尿病予防プログラム」は糖尿病予備群が対象ですが、「じぶんで血糖チェック」は糖尿病の人以外どなたでも参加していただけます。
日本生命は全国に約1600拠点を持ち、自治体や企業をきめ細かくサポートできることが強みです。健康づくりの取り組みの裾野を広げるために、更なる個人向けサービスの検討も進めています。一生涯の健康につながる「気づき」の機会を提供し、健康寿命の延伸に貢献することをめざしています。
事業者、自治体向けの説明動画はこちら
「じぶんで血糖チェック」紹介映像
※1:2022年7月31日現在
※2:「グルコース値」は、血糖値と高い相関関係が認められる物質。HbA1cが推定できる(Rebrin K, Steil GM. Diabetes Techn ol Ther. 2000; 2(3): 461 472.)
