文春オンライン

source : 提携メディア

その被害者意識には、明確な理由もあった。差別されてきたこと、不当な扱いを受けたことによる心の傷は、窪田さんの胸に深く刻み込まれていた。

「そういうものが積もり積もってのことだとは思いますが、やっぱり女性は被害者意識を持ちやすい。当時、部下への当たりがキツかったし、怒りの制御ができなかったですね。これは私だけではなく、40代、50代の女性社員って妙にイライラして人に当たって、厳しいことを言って、嫌われている人がかなりいることが見えてきたんです」 

個人として指摘すれば、パワハラになりかねない。更年期障害について会社が働きかけをしてくれないと女性の出世はあり得ないと、窪田さんは痛切に思う。

会社を牛耳る男性のネットワーク

女性が陥りやすい被害者意識のために、女性同士がつながり合うのが難しいのだろうか。

お茶の一件もそうだが、窪田さんがなぜ女性は女性同士でつながれないのかと考えずにいられないのは、社内には男性による強力なネットワークが存在していたからだ。

会社を牛耳る、暗黙の「オールドボーイズネットワーク」の存在こそ、弊害以外の何者でもないと窪田さんは認識する。

「学閥から始まったと思うのですが、お昼に同じ店での食事の時とか、タバコを吸う人同士とか、ゴルフ仲間、麻雀仲間などで会社の決定が行われる。海外出張は、特にそう。そこに行った人だけで話して会社の方針をどんどん決めていく。会議など、全部出来レースで、全て結論は決まっちゃっているんです。その人たちの都合のいいように」

一番やってはいけないのは、メンツをつぶすこと

ある時、事件が起きた。当時、女性の役職者が3人いたが、当然、オールドボーイズネットワークのメンバーではない。

「会議でメンツを潰すということが、一番やってはいけないことでした。会議で役員がこの商品を取り扱いたいと提案した時に、部長である女性が『何億円もかかるので、今の時期に許可できません』と言ってしまった。でもそれは、オールドボーイズネットワークでは実施が決まっていたことなのです。なのに、女性は強硬に反対を表明して、その役員が激怒したんです。翌日、その女性はいきなり役職を外されました。それだけではありません。それからほどなく、残りの2人も含めて女性の役職者全員が役職を外されたんです」