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一方、選挙期間中、問題意識も芽生えた。街頭演説では、高齢の人たちは聞いてくれるが、若い人はほとんど足を止めない。ビラを配っても、受け取ってくれる人は少なかった。

「それに、候補者が34歳だったのに、周りにいる人は60代や70代の人ばかりだったんです。若い人が選挙に出ても、周りで支えている人たち、話を聞いてくれる人たちの感覚に合わせて話をしなければならない。そうしているうちに、年齢が高い人たちだけのために政治をするようになってしまうのではないかと思いました」という。「しかも、若者の投票率が低いので、事務所の会議でも『いったん若い人の票は忘れよう』という展開になっていました」

「20代の1.5倍いる60代が、20代の2倍選挙に行く」現実

その時の経験から、「もっと若い世代が積極的に政治に参加できるようにするにはどうしたらいいのか」と考えていた能條さんは、ある勉強会で、北欧では若者の投票率が高いことを知った。そして、デンマークの若者の4人に1人が行くといわれる「フォルケホイスコーレ」に3カ月間留学する。高校でも大学でもない全寮制の「民主主義の学校」だ。

そして帰国後の2019年に能條さんが立ち上げたのが、「若い世代なくして日本はない」を意味する、NO YOUTH NO JAPAN(以下NYNJ)だ。日本ではその年の7月に、参議院選挙が予定されていた。

能條さんが、メンバーを集めるために発信したSNSの投稿には、こう書かれている。

「同世代を選挙に送れないU30世代は、私たちの世代の願いや想いを託すために、政治家を選ぶ必要があるのです。わたしたちがいるよと示すために、選挙に行く必要があるのです。20代の1.5倍いる60代が、20代の2倍選挙に行く。これが今の日本の現実です……一緒に何かやりませんか?」

選挙権は18歳だが、参議院の被選挙権は30歳。18歳から30歳までの若者は、政治家としての政治参加はできないが、選挙で政治に参加することはできる。それを若者に訴えたのだ。