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小中学校で子どもたちと給食を食べる政治家たち

能條さんの留学中、デンマークでは国政選挙があった。その時彼女を驚かせたのは、デンマークの若者の80%が、当たり前のように投票しているという事実だった。

選挙期間中は、ソファーでポップコーンを食べながらみんなで党首討論番組を見た。選挙当日は、学校でパブリックビューイングが開催された。大学生、高校生、高校を中退した人、誰もが各政党の政策や特色について、詳しく知っていたという。

「日本人が当たり前に九九を覚えているように、デンマーク人は各政党の違いを当たり前のように説明できる。そこに違いを感じました」と能條さんは言う。

そして、政治家と有権者の距離も近かった。

「学校では、政治家と話したことがない子はいないんです。政治家はよく小中学校に来て、子どもたちと一緒に給食を食べたりします」。学校で政治討論会も開かれ、出席した政治家は夕食まで子どもたちと過ごすという。「会議やお祭りに来ても、挨拶だけして帰るのが当たり前。顔と名前を売ることだけが目的で、『1日に何件回れるか』ばかり気にする日本の政治家と違い、一人ひとりときちんとコミュニケーションをとろうとしている感じがしました」

若者の街に「選挙案内所」、投開票日にパブリックビューイング

NYNJの活動を始めた能條さんは、まずは基礎的な知識を広めようと、選挙についてのわかりやすい解説を作り、インスタグラムで発信した。当初は、選挙期間中のキャンペーンとして2週間程度で終える予定だったが、フォロワー数が1.5万人になったことで、活動を続けていきたいと思うようになったという。

現在のメンバーは60人ほどで、インスタグラムのフォロワー数は10万以上になった。地方選挙の投票率を上げるプロジェクトや、政治家とインスタライブを行うなどの活動も行った。また選挙前に、若者が集まる街、東京・下北沢に「投票案内所」を作り、各政党のパンフレットを置いたり、質問に答えていくと自分に合う政党が分かるというアプリの入ったiPadを置き、選挙に関心を持ってもらうための空間も演出した。選挙の投開票日にはパブリックビューイングを企画し、参加者と盛り上がった。