昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

≪文春マルシェ店長奮闘記≫文藝春秋が日本橋三越本店で全国の選りすぐりの品々を販売したワケ

source : 文藝春秋

genre : ライフ, 企業

日本橋三越本店。言わずと知れた日本のデパートの第1号だ ©文藝春秋 撮影/今井知佑

「今日は海老のグラタンがよく売れていますよ~。ほら、見てください、この写真にあるとおりフォークを刺したら必ず海老にあたるんじゃないかってくらい海老が敷き詰めてあります。レンジでチンしていただくだけで、チーズがとろ~り!」

 出版社の文藝春秋が日本橋三越本店の食品催事コーナー、フードコレクション(いわゆるデパ地下)に期間限定で8ブースの店舗を出しました。普段は知られることのない老舗デパートの裏側をレポートしたいと思います。

出版社がなぜデパ地下?

フードコレクション会場。通路を挟んで8ブースが店を並べた。手前が木川商店 ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 文藝春秋は出版社ですが、今回販売を行った商品は本ではなく水たき鍋や海鮮丼、チーズグラタンなどの食品。2020年10月に生まれた「文春マルシェ」というグルメ通販サイトが主役です。

 文春マルシェの会員には雑誌「文藝春秋」「週刊文春」の定期購読者など、知的好奇心が旺盛な方やシニア富裕層が多く、日本橋三越本店の顧客層とは親和性がありそうで、まだ誕生して2年のサービスをより多くの方に知っていただく絶好の機会! お話ししているうちに、ちょうど文藝春秋が1923年(大正12年)創業で100周年、日本橋三越本店は1673年(延宝元)創業で350周年を迎えるとあって、意気投合しました。日本橋三越本店にとっては、文春マルシェには全国の個性的な食品が揃っていて、店頭販売する機会を得たいという思いがあったようです。

 こうして、「いまだけ!ここだけ!の美味しいが見つかる 日本橋三越本店×文春マルシェ」と題して、10月19日から25日まで8ブースで展開することになったのです。

文春マルシェブースの一部。普段は通販のみの商品を手に取ってお買い求めいただける ©文藝春秋 撮影/今井知佑

店頭に立つ前に待ち構えるオンラインテスト

 相談を始めてから企画が実現するまで1年以上の期間がありましたが、準備期間の最後に待ち構えていたのが、売場に立つスタッフの入店前講習。店内での行動、身だしなみ、敬語の使い方、コロナ対策など、8本の動画を見て、最後にオンラインのテストを受けなければなりません。

 間違えやすい敬語表現としては「~~でよろしかったでしょうか?」は×、「~~でよろしいでしょうか?」は〇など、さすが老舗は違います。お辞儀の角度にはシーンごとに45度、30度、15度と分かれていて、声を発してからお辞儀をする場合と、声を発しながらお辞儀をする場合に分かれていて覚えるのが大変。館内施設の場所を問う問題もあり、短い期間とは言え日本橋三越本店の一員なんだと背筋が伸びる思いがします。テストの準備でテンションが上がったのが店内用語。お客様、従業員食堂、お手洗いを示す言葉などが決められています。