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source : 文藝春秋

genre : ライフ, 企業

 販売のプロ マネキンさんは心強い味方

 目覚ましをふたつかけて、無事に9時にはお店に到着。展示の工夫をしていると、ひとりの女性がやって来ました。いわゆるマネキンさん。販売を手伝ってくださる心強い味方です。たとえば、デパートのレジはとても複雑。系列のクレジットカードに株主優待にポイントに……と様々なパターンがあって、素人にはいきなり覚えきれません。他にも両替やスタッフの健康チェック、冷凍庫の温度チェックなど細かな作業が発生します。さらに、売場や売り方の工夫など、期間中2名の方に大変助けていただくことになります。この日は早番の方とまずは初対面のご挨拶。既に通販サイトの商品説明を読み込んだうえで、解凍方法や食べ方、商品の特徴など細かな質問をいただきます。なるほど、そうした情報が販売に欠かせないんですね、と早速学ばせていただきました。

初日、開店前の朝礼の様子。各ブースの代表が集まって話に耳を傾ける ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 開店15分前、催事ブースの皆さんに集合がかかり、朝礼の時間です。今日から始まる催事のスタッフに社員の方からご挨拶。「自分で言うのも何ですが、三越のスタッフは皆やさしいので、何でも聞いてください」。これはその通りで、困ったことがあって相談に行くと一度も嫌な顔をされたことがありませんでした。また、担当の方に限らず、バックヤードの狭い通路を行き交うときもさらりと道を譲り合うなど、さすが接客の会社さんは物腰が柔らかいなという印象を持ちました。

 朝礼でもうひとつ印象的だったのが、「今日から7階では『京名物 洛趣展』が始まるのでたくさんのお客様がいらっしゃいます」との説明。京都の美術工芸品などが集まる人気企画と聞いて、来店客数が増えるのは嬉しいなと想いつつ聞いていたのですが、あとで会場に足を運んでみたら、鯖姿寿司のいづう、和菓子の末富、喫茶店のイノダコーヒといった京都の食の名店が46ブースも。ここでお金を使ったお客様が、地下の食品売場でもお金を使ってくださるかしらと、思わず青ざめた気持ちになりました。

高価格帯商品を取り揃えてお客様を待つロウリーズ・ザ・プライムリブ  ©️2022 Wondertable,Ltd.

 アメリカ発祥の高級ローストビーフ、ロウリーズ・ザ・プライムリブは今回が初出店。商品のディスプレイをどうするか、開店ギリギリまで試行錯誤が続きます。

思わず「ずるいぞ!」と声が漏れたパンダ形肉まん

全ブース共通の文春マルシェロゴ手提げ袋もご用意。100周年ロゴの入った限定品です ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 チャイムが鳴って開店の時間。いよいよ、練習した「おはようございます。いらっしゃいませ」の挨拶を実践する時がやって来ました。と、向こうからやってくるのは、お友だちのお客様。緊張しているときに、事情が分かっている方が来て下さるとほっとしますね。ベテランのマネキンさんもまだレジの商品ボタンの位置を把握しきれていなくて、「ええっと、その右上ですよ、そうそう」とまごつきながらのお会計。何とか無事に済みました。

思わず目をひく、銀座飛雁閣のパンダ形肉まん 1 ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 売場を見渡して、思わず「ずるいぞ!」と声が漏れたのは、銀座飛雁閣のパンダ形肉まん。遠目から見てもかわいくて、バエることこのうえ無し。案の定、若い女性が足を止めて買って行かれました。

貴重な岩手短角和牛を使ったお弁当の数々 ©文藝春秋 撮影/今井知佑