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5000円を超える弁当が次から次に売れていく

 そうこうしているうちに、ランチタイム。近隣にお勤めの方々が、お昼ご飯を探しにいらっしゃる時間帯です。必死に接客していると、通路のお向かいの肉のふがねさんの「焼肉重」がとっても美味しそう~。目に焼き付きます(後で購入して、休憩室でいただきました。初日から贅沢)。

 お隣のブースの三重県尾鷲市から出ていただいためでたい屋さんは、鯛の名物がたくさん。

 可愛らしい鯛めしのおにぎり「鯛めしころりん」が可愛らしくて、後日購入。私はゆず風味が気に入りました。

鯛づくしでめでたい感いっぱいのラインナップ ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 驚いたのは、日本橋矢の根寿司さんのブース。5000円を上回る価格の握り寿司の折詰弁当が次から次に売れていくのです。お店の方に伺ってみると「皆さん、迷わずに買って行かれますね。価値の分かっている人は、むしろ『これなら安い』っておっしゃいます」。事前に、良いものだと分かれば値段は気にされないお客様が多いとは聞いていましたが、本当でした。日本橋三越本店、恐ろしいお店。

実演販売は出来立てを買える楽しみも ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 文春マルシェのブースはお弁当類はないので、盛り上がったのはランチタイムを少し過ぎた時間帯から。「海老とチーズのごちそうグラタン」は、写真に動きがあって説明に入りやすい。「今日は海老のグラタンが良くうれていまーす」と声を出して振り向いた方に、すかさず写真を指し示しながら説明を始めると体の向きを変えて話を聞いてくださる。興味が薄れないようだったら、隣の「おうちで揚げない海老カツレツ」、さらに高額の「三国湊 甘海老てんこ盛り」をご案内していく。普段はECサイトでお客様が主体的に動いてくださらないと売り上げにつながらないので、インタラクティブなその場のやり取りで商品が売れていくのは新鮮な体験でした。ご年配の方も多いのですが、母娘のお客様も目についたり、少し若めの世代の方が親御さんのために買っていかれたり配送のご依頼をされるケースもよくありました。お客様によって響く説明の仕方がちがっていたりして、いちいち勉強になるのが面白いです。

 と言っているうちに1日目(水曜日)が終了。売上高はまずまずだけど、もうちょっと勢いが欲しいところかな。翌日に期待です。

「売り切れました。商品がありません!」「補充が間に合いません!」

予想を超える人気となった治作の水たき ©文藝春秋

 2日目(木曜日)には、売り上げ増の仕込みがしてあった。日本橋三越本店のお客様が多そうな地域を中心に、新聞の折込広告を出しておいたのだ。効果はてきめんで、「文春マルシェ限定 海鮮丼」など、広告掲載商品の指名買いが増えていく。広告を片手にお買い物にいらっしゃるお客様が何人もいらした。

 なかでも反響が大きかったのが、「つきじ治作 水たきセット」。価格が4500円を超えており、箱入りで重量もあることから反応が読めなかったのですが、次々とお買い上げに。また、会社で使ったことがある、家族で行っている、と治作の本店をご存じの方がこんなに多いとはさすが日本橋のデパートです。迷わず、翌日の追加分を手配してひと安心。と思っていたのですが、実は嵐の前の静けさでした。

 新聞の折込広告の効果は配布日に現れるものと思っていましたが、ピークは翌日でした。おそらく、朝は忙しくて夜になってご覧になる方や、家族の帰りを待って何を買おうか相談される方が多かったのでしょう。