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source : 文藝春秋

genre : ライフ, 企業

このままでは売るものが無くなるかも

3日目(金曜日)は、朝から電話注文が続々と。開店直後からお客様の電話注文が続々と入り、店頭在庫がお取り置きや配送に確保されていきます。このままでは、日曜日には店頭で売れるものが無いかもしれないという勢い。急遽、各生産者メーカーと連絡を取り合い、翌土曜に入荷が可能なもの、日曜、月曜に可能なものを確認して、追加発注を決めていきます。少なければ棚が空になり、多ければ売れ残りの在庫を抱えてしまう。デパート催事の出店自体が初めてで、土曜以降の展開がどうなるのか、折込広告の効果が何日後まで続くのか、読み切れないなかでの発注作業が続きました。

予想を超える売れ行きで品切れ、再入荷待ちが相次ぎ、お客様にはご迷惑をおかけしました ©文藝春秋 

 さらに、「つきじ治作 水たきセット」が売り切れてしまったため、築地の治作さんからタクシーに積めるだけ積んで日本橋に持ち込み。それも翌日には売り切れて、週明けの入荷分の取り置きか、再来店をご案内することに。怒涛の売れ行きに対応しているうちに、最終日を迎えることになりました。

デパ地下催事のなぜ?

会社は福岡だが、通販のお客様は関東が多いという竹千寿 ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 人気のデパ地下催事ですが、出店する側としては、売上による利益はもちろんですが、お店の知名度を上げる、目の肥えたお客様のリアルな声を聞けるなど、様々なメリットがあります。

「会社は福岡ですが、通販は首都圏のお客様が多いです。今回の出店でお客様とも直接お会いして話をすることが出来ました」とは、笹ちまきが人気の福岡の竹千寿さん。「ふだんは直接お客様の声を聴くことがないので、よい機会になりました。食べておいしかったから、と期間中にまた来てくださるお客様もいらっしゃいました」とは中華点心が人気の銀座飛雁閣さん。「お弁当を食べたらおいしかったから、とお店に来てくださるお客さんもあります」とは、日本橋三越で何度も催事に参加している日本橋矢の根寿司さん。一方、数々の食品催事に経験豊富な、コロッケが人気の北海道の木川商店さんは、「日本橋三越本店は初めてですが、客層が違いますね。次に機会があれば、もっとアッパーな商品を揃えてチャレンジしたい」と熱意を燃やしていらっしゃいました。

1週間お世話になった従業員出入り口とも今日でお別れ ©文藝春秋 撮影/今井知佑

 最終日の撤収はあっという間。次の催事の準備もあるため、閉店と同時に撤収作業が始まり、1時間もしないうちに作業完了。搬入時の大変さとは対照的です。

文藝春秋がなぜ通販?

 それにしても、なぜ出版社の文藝春秋が通販を始めたの? と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

©文藝春秋

 文藝春秋の創業者である菊池寛は大の麻雀好きで日本に麻雀が広がることに貢献し、文藝春秋も麻雀牌を販売していたことがありました。

 しかしそれだけでなく、戦前にはスキー用品や毛皮の襟巻、ヘアトニックや懐中電灯などを売っていたこともあるのです。そういう意味では、文春マルシェは、文藝春秋の古くて新しい新規事業といえるのかも知れません。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。ぜひご覧ください。

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