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「チャイナでもアミでも」「嫌なら縛って写真」精神科医が患者の女性と次々に性的な関係に… 弱音と暴言を織り交ぜた“断れない手口”とは

「チャイナでもアミでも」「嫌なら縛って写真」精神科医が患者の女性と次々に性的な関係に… 弱音と暴言を織り交ぜた“断れない手口”とは

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 2016年8月16日、鹿児島県内の精神科クリニックで勤務していたA子さん(当時32)が自殺した。

 A子さんの遺族は「自殺の原因は院長のX氏によるセクハラとパワハラだった」と約2200万円の損害賠償を求めて民事訴訟を起こしているが、取材を進めると実はA子さん以外にもX氏の“被害者”がいることが明らかになった。

2016年に亡くなったA子さん

 X氏の患者だった女性(当時27)が、A子さんと同じようにX氏と不倫関係に陥ったあとに、精神的に追い込まれて自殺していたのだ。この女性の身に起きたことについては、米田倫康氏の著書「もう一回やり直したい」(萬書房)に詳しい。

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 米田氏は2015年5月に自殺した女性の母・倉岡祐子さんから相談を受け、翌年にX氏と女性の間でのメールのやりとりを知り、鹿児島やインターネット上などでX氏の情報を集めた。すると、匿名のケースも含めて元患者など10人以上の女性が性被害に遭っていたことが分かったという。

「精神科医が患者と個人的にメールで連絡を取り、卑猥なメッセージや恫喝ともとれるメッセージを送っていたことに非常に驚きました。そこで調査を始めると『X氏に性的な関係を求められた』という相談や情報提供が多く集まりました。複数の女性に直接会って話も聞いています。事案が事案なので明るみにでることを恐れて泣き寝入りせざるを得なかった人も多いのですが、弁護士に相談した人もいます」(米田氏)

B子さん

クリニックを訪れた初日にLINEを聞かれた

 X氏は一見すると普通の中年男性で、しかも当時は妻子持ちの身である。なぜ多くの女性が彼と性的関係を結ぶことになってしまったのか。X氏の元患者で、性的関係にもあった鹿児島県内在住のB子さん(40代)に話を聞くことができた。

「X氏に初めてあったのは2016年の2月頃です。私は以前パニック障害にかかっていたのですが、2015年に母親が自殺で他界したのと前後して再発し、近所にあったX氏のクリニックへ行きました。初診の日は母の話や症状の話をして、2種類の薬を処方されました。印象的だったのはX氏が『僕があなたの状態もお父さんのこともすべて面倒を見る』と話したことです。お医者さんなのに初対面でとても踏み込んできたな、と思いました。それで『いつでも連絡がとれるように』とLINEを聞かれました」

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