地球温暖化対策はもはや待ったなし。三井住友フィナンシャルグループはあらゆる段階にある企業の脱炭素化をサポートする。
企業の進展に応じて脱炭素化をサポート

三井住友フィナンシャルグループ
グループCSuO(Chief Sustainability Officer)
深刻化する地球の温暖化に歯止めを掛けられるのか。三井住友フィナンシャルグループ(以下SMBCグループ)は、その困難に真っ向から向き合うことを宣言した。2030年までにグループ全体での温室効果ガス(GHG)排出量をネットゼロに、2050年までに投融資ポートフォリオ全体でのGHG排出量もネットゼロとする目標を掲げる。
「緑の地球を子孫へと返すことは、社会の責任ある企業として取り組むべき喫緊の課題であるとともに、人類が長期的に果たしてゆくべき責務と考えています」。SMBCグループCSuOの伊藤文彦さんはこう話す。
一方で「この目標は私たちだけで成し遂げられるものではありません」と慎重さも見せる。企業によって脱炭素化の進捗状況は異なり、GHG排出量が多い企業から急に資金を引き上げれば、かえって環境へ悪影響を及ぼしかねない。
「グループの総合力を発揮して、各企業の段階に応じた現実的な解決策を提案し、脱炭素化への移行に道筋をつけ、その実行を支援していくことは金融機関の責務であり、その矜持を胸に取り組んでいます」
温室効果ガスの計測から改善策の実行まで支援
その具体例の一つが、GHG排出量をクラウド上で簡単に計測・定量化できるサービス「Sustana」である。SMBCグループが独自開発し、提供を開始したシステムで、電力使用量などの情報を入力するだけで温室効果ガスの排出状況を効率的に分析できるようになり、さらに業種や施設タイプに応じた削減策まで提案する。手間がかからず人手も取らないため、温暖化対策のノウハウがない中堅・中小企業の後押しとして期待がかかる。「削減策を実行するうえで必要な資金の調達や取引先開拓は、SMBCグループの強みを生かしてバックアップします」と伊藤さん。

一方で大企業に向けては、日本IBMなどと共同で気候変動が財務に与える影響を分析するサービス「Climanomics® platform」の提供を開始した。気候変動に関する情報開示は世界的な流れであり、日本でも一部上場企業に対してTCFDの提言に沿った情報開示が実質的に義務化される見込みだ。「Climanomics® platform」を使えば、気候変動関連のリスクと機会が企業に及ぼす財務的な影響などを迅速かつ正確、詳細かつ網羅的に分析でき、対外的にわかりやすくまとめられるとあって問い合わせが増えている。
さらに2030年までにサステナブルファイナンス30兆円実行を目指し、再生可能エネルギー関連のプロジェクトファイナンスや債券の引受など、国内外で幅広い案件に注力する。「私たちが積極的にリスクを取り資金を供給することで、将来有望な事業やテクノロジーを育てる一助となりたい」と伊藤さんは力を込める。
SMBCグループのコーポレートカラーはグリーン。その色が象徴する“緑の地球”を次の世代へ受け継ぐべく、世界共通の目標である脱炭素化に向けて企業とともに走り続ける。
※ TCFD:金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォースの略称
サステナビリティへの取り組み


Text:Emi Morishige
