文春オンライン

坂井泉水、清志郎、秀樹、ひばり、裕次郎、ノムさん、角栄…著名人送った一等地3000坪「青山葬儀所」建て替えで議論百出

source : 提携メディア

genre : ライフ, 社会, ライフスタイル, 芸能, スポーツ

「ZARD」の坂井泉水(享年40)、忌野清志郎(同58)、美空ひばり(同52)、石原裕次郎(同52)、田中角栄(同75)……多くの著名人の葬式会場となった都立青山葬儀所は2021年3月に解体され2025年に新施設が完成予定だ。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「著名人の弔いも簡素化しアフターコロナにおける葬送の規模感が見えにくいが、同所は葬送文化を牽引する存在だけに、各界からさまざまな要望が出ている」という――。

写真=iStock.com/mizoula ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mizoula

弔われる側も弔う側もVIPだった「青山葬儀所」

数多(あまた)の著名人の葬式会場になってきた都立青山葬儀所が、全面建て替えを計画している。すでに葬儀所は解体を終えており、約3年後の2025(令和7)年には新施設に生まれ変わる見通し。同時に、悩ましい課題も抱えている。「家族葬」が一般化する中で、著名人の弔いですら簡素になってきている。また、「アフターコロナ」における葬送の規模感が見えにくくなっている。青山葬儀所は、どのように生まれ変わるのか。葬送文化のバロメーター的な存在だけに、リニューアル後の姿を業界は注視している。

青山葬儀所は施設の老朽化のため、2021(令和3)年3月末にひっそりと閉鎖していた。東京都建設局公園緑地部などによると、壁や柱にヒビが入り、床の沈下も起きていたという。大規模修繕も考えられたが、全面的に建て替えられることに。迎賓館を思わせる瀟酒な建物は解体され、現在は更地になっている。

青山葬儀所の歴史は古い。開所は1901(明治34)年だ。最初は民間の葬儀所だったが、旧東京市に寄贈された。都内にある公営葬儀所にはほかにも、江戸川区の瑞江葬儀所がある。ちなみに瑞江葬儀所は火葬施設だ。対して青山葬儀所は、葬儀の式典などを行う専用の施設であり、火葬の設備はない。

青山葬儀所は六本木や青山一丁目からも近く、閑静な都立青山霊園に面している。敷地面積はおよそ3000坪。1974(昭和49)年には大規模改修が行われ、延べ床面積2350平方メートルを有する巨大斎場となった。参列者数万人規模の葬式も執り行われていた。青山葬儀所では、弔われるほうも弔う側もVIPであることが少なくない。