文春オンライン

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genre : ライフ, ライフスタイル, 社会

ところが、学校や会社などに行く機会が減り、SNSでのみつながり、オンラインで交流する相手がこの数よりも増えたことで、疲れることも増えたのではないだろうか。

自分から切らない限り、自然消滅できない

われわれはさまざまなSNSで多くの人とつながり、いつも誰かに見られ、評価され続けている。従来の人間関係なら、気まずくなったり親しくなくなれば、自然消滅ができた。ところが、SNSでは積極的に関係性を切らない限り、人間関係は切ることができない。

ブロックやフォロー解除などはできるが、恨まれることもあり、切ることもストレスになる。フォロー数がある程度以上になると、一人ひとりどうするかを判断するのも負担が大きい。そこで、自分がアカウントごと消えて作り直したほうが早いと感じて、リセットしてしまうのではないか。

追い詰められて苦しむくらいなら、リセットするのもいいだろう。しかし、人間関係というのは、けんかなども繰り返し、良いときも悪いときも含めて付き合い、築き上げていくものだ。

安易にリセットを繰り返すと、いざというときに頼れる友だちがいなくなり、孤独に陥ってしまう可能性が高い。リセットという選択肢を選ぶ前に、仲直りをしたり、人間関係を再構築することにもトライしてみてほしい。

高橋 暁子(たかはし・あきこ)
成蹊大学客員教授
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、webメディアなどの記事の執筆、講演などを手掛ける。SNSや情報リテラシー、ICT教育などに詳しい。著書に『ソーシャルメディア中毒』『できるゼロからはじめるLINE超入門』ほか多数。「あさイチ」「クローズアップ現代+」などテレビ出演多数。元小学校教員。

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