徹底したパイオニア精神で、美容機器のスタンダードを更新し続け45年。美容機器の変遷そのものとも言える、革新に満ちたヤーマンの歩みを振り返る。
あなたは誤解している、美容機器のこと

まず問いたい。ひょっとしてあなたも美容機器に対し“一昔前のイメージ”を持ち続けていないだろうか。皮肉なことに今、最も進化が速いジャンルの1つが美容機器。まさしく日進月歩、ちょっと目を離すと出来ることがすっかり変わっているほど。ましてや使わず嫌いしてきた人の中には、面倒な割に効果が曖昧なんでは? などと決め込んでいる人もいる。そうした誤解が少なくないからこそ、美容機器の真実を知ってほしいのだ。今こそ生活に取り込まないと、今後の人生で明らかに損をする。そういう種類のものだから。
美顔器シェアNo.1(※1)こそが、このヤーマン

そして知っていただろうか。この市場のシェアNo.1がヤーマンであること。家電から化粧品、様々なベンチャー企業までが参入しているこのジャンルで、美容・健康機器の専門メーカーであるヤーマンは、何より研究開発力で他を圧倒してきた。今ヤーマンを代表する美顔器フォトプラス シャイニーを含む、RF(ラジオ波)美顔器は、シリーズ累計400万台を売り上げ、4年連続マーケットシェアNo.1(※2)を誇る。ただこのヤーマンについても、真実を知る人は少ないのだろう。じつは驚くべきスペックを持つ極めてユニークな企業、ともかく聞いてほしい。
※1 (株)富士経済『美容家電&健康家電マーケティングトレンドデータ2020』2018~2019年実績、『“おうち美容”で注目度の高まる美顔器・美顔ケア家電トレンドデータ』2020~2021年実績
※2 2013年10月~2022年9月末までのRF美容機器シリーズの累計出荷台数(ヤーマン調べ)
創業45年、本来は精密機器メーカーだった?!

歴史は長く、今年創業45周年。スタートはなんと精密機器メーカーだった。しかも日本初の“光学変位計”なるものを生んだスゴい会社。なんとあの瀬戸大橋のたわみをその技術を応用して計測しているのだ。精密電子機器メーカーとしての実績もあり、まさに極小サイズの精密機器から、橋を計測する大掛かりな機器まで、テクノロジーを自在に操ってきたわけで、日本の美顔器シェアNo.1(※3)の企業が、こうした地に足のついた高い技術を誇る企業であることは、実に喜ばしいことではないか?
※3 (株)富士経済『美容家電&健康家電マーケティング トレンド データ 2020』2018-2019年実績、『“おうち美容”で注目度の高まる美顔器・美顔ケア家電トレンドデータ』2020~2021年実績
驚くべき特許の数、日々増えゆく308!
308、この数字はあくまでも2022年4月の時点で取得した特許権の累計である。ちなみに現在保有する知的財産権は716(2022年4月時点)! それはひとえに「当たり前ではないもの、世の中にまだないものを作りたい」というパイオニア精神を持って、創業以来ずっと攻め続けてきたことを物語る。言うまでもなく、特許権とは「発明」を保護するための独占権なわけだが、いかに目覚ましいスピードで「発明」に邁進してきたか。ヤーマンの特許出願数は約5年で倍増しており、それだけ見ても、ヤーマンが先端テクノロジーのパイオニアであり、昨今の美容機器市場をいかにリード・席巻しているのかがわかるはず。
日本初の体脂肪計はヤーマンの開発だった

ヤーマンがいかに、当たり前ではないものを作るパイオニアだったか? これを見事に証明するのが、日本初の体脂肪計。これがヤーマンの開発だったという事実である。1985年、“手と足4点で測るタイプ” の体脂肪計を開発。その7年後に、より小型の両手でつかんで測る体脂肪計も開発している。そもそも体脂肪計ほど、一体どういう仕組みなのかがわからない不思議な機器もないが、2003年、ヤーマンはこれまた不思議な骨密度を測る骨量計の開発にも成功しているのだ。
でも測定機器メーカーが、なぜ美容へ?
こうした測定機器を作っていた企業がなぜ美容機器の専門メーカーとなっていったのか? そもそも日本初の体脂肪計も、体脂肪の量を実際に測っているのではなく、体の一部に微弱な電流を流すことで得られる電気抵抗の状態から、体重や身長、年齢などの情報を踏まえて数値を割り出していくという、じつに頭の良い仕組みを持っていた。そのヒントとなったのが、様々な物質の中に傷があるかどうかを、外側から測る“超音波探傷器”。こうしたテクノロジーが、人間の体内でも、体脂肪や骨量の測定に応用できると考えたのだ。ある意味、自然な流れでほぼ手付かずだった美容系の機器の開拓につながっていったと考えていい。
人体に直に関わる機器を作りたい!
企業として人間に関わりたい、もっと言うなら、人の幸せに関わりたいという意志を持ったことも、美容機器に進んだ理由の1つに挙げられる。少なくとも体脂肪計や骨量計は、今まで知ることができなかった体内の有り様を簡単に測定することを可能にしたわけで、より深いところからのフィジカルな健康を目指すきっかけを提供できたのは確か。それは、測定機器メーカーとして思いがけない喜びだったはず。やがて “測る” から、“美を作り出す” へ駒を進める。それが人々の喜びに直結すると感じたから。見えないものに外から働きかけるテクノロジーから、人体の奥へ外から働きかけへのシフトチェンジがなかったら、美容機器はここまで進化を見せていなかったかもしれない。そう思うと何か感慨深い。
70年代に高周波脱毛器を開発

先見の明と言っていいのだろう。今クリニックでもエステでも、最も需要が多いのが脱毛。こうしたプロの手による脱毛の始まりは、高周波脱毛であったと言っていいが、実は日本にニードル脱毛器を紹介、より安全に手早く済ませる方法としてニードルに高周波を流すツイザー式高周波を開発したのも、このヤーマンだった。それも1979年、もはや一昔前の方法だが、その扉を開けた先駆けであるのは確か。妥協のない、人に優しい発明家だ。
さらに、業務用エステ機器の開発に着手
欧米で現在のスタイルに近いエステが生まれるのは1900年代だが、日本で機材を使うトータルなエステサロンが生まれるのは1970年代(手技による個人のエステティシャンは存在したが)。それが一気に増えていくのは80年代まで待たなければならなかった。まさにこのタイミングにヤーマンの業務用エステ機器の開発が始まる。言うならば日本では稀有な存在だった、高い半導体技術を持つメーカーに注文が殺到したということ。人間に直接関わる機器を作りたいと考えていたヤーマンにとって、健康機器に留まらない美容への未知なる挑戦が、この企業が秘めたポテンシャルをさらに大きく引き出したに違いないのだ。
巨大な機器を小さくするのが一番難しい?
さてサロン向け、業務用の美容機器を数多く世に送り出してきたヤーマンは、やがて家庭用の美容機器を開発することになるわけだが、1970年代から80年代に作られた業務用機器は体がすっぽり入る位の巨大なものも多く、それを同じ機能を持つ家庭用にまでコンパクトにしていくのは、並大抵ではないテクノロジーが必要になってくる。今やスマホへと進化したケータイが、最初は靴箱みたいに大きかったことを考えれば、納得できるはず。いや、美容機器ではもっと劇的な小型化が進められ、さらにさらに小さく小さくという進化を遂げることになったのだ。そのプロセスをヤーマンがリードしてきたと考えていいと思う。
90年代初頭、EMS小型化が大きな節目に

EMS……電気の力で筋肉を収縮させて、じっとしていてもトレーニングしているような刺激を筋肉に与える機能。通常、脳からの電気信号で動く筋肉をEMSが動かすので、自分では動かしにくい部分も動かすことが可能だ。以前はそれこそ巨大だったEMSをコンパクトにすることに成功したのが、90年代初頭。EMSの初期一大ブームが始まるのはこの10年後である。ヤーマンによるEMS小型化が、美容機器発展の大きな節目となったのだ。
ライバルは化粧品ではなくエステティック?
美容機器は、化粧品の延長上にあるものと考えているかもしれない。あるいは化粧品の補助的なものと思ってる人もいるかもしれない。でも、実際にはエステティックに近い。混乱しがちだけれど、例えば美容機器においてリフトケア(※4)と浸透ケアとして使われるRF美容機器は、エステサロンにも同じプログラムが存在する。その違いはズバリ、出力。業務用と比べて家庭用の出力は制限されているものの、家庭用の機器はいわば “いつでもどこでも、毎日でも” 使用できるわけで、そうした出力の違いを、使い方や使用頻度でカバーすることができると捉えてみたい。それこそ、「通わないエステ」が家にあるという感覚で。なおかつ、それを持続的にずっと使えるのが家庭用美容機器だと考えてみてはどうだろう。
※4 機器で肌を持ち上げること
いわゆる“コロコロ”ローラーもここが最初

覚えているだろうか。通称 “コロコロ”、過去に例がないほどの一大ブームとなった美容ローラーを。実はこれもヤーマン開発、シリーズ累計200万本(※5)を突破したプラチナゲルマローラーである。電気エネルギーは用いていないものの、この独特なヘッドにゲルマニウム配合の半導体チップを装着。このヘッドの面を肌の上でコロコロすると、肌のキメが整い、クーラント回転子の冷たさが肌を引き締める。考えてみれば、この1品からハンディータイプの美容機器の長期的ブームが始まっている。流れを変えるのはいつもここなのだ。
※5 2006年12月~2011年3月までの累計出荷台数(ヤーマン調べ)
肌を持ち上げることに、絶対のこだわり

21世紀に本格的に幕を開ける美容機器の時代、当初トレンドとなったのはイオン導入導出。より深く(※6)から汚れを取り、より深くへ潤いを届けて、人の手ではできないレベルのケアに挑む機器だったが、次に取り組んだのは、リフトケア(※7)。いち早くRF機器を導入するなど、持ち上げるお手入れに強くこだわった。それも化粧品にとって最も難易度が高いのはリフトケアとされていて、であるならば美容機器ができることは何なのか? をより深く追求したからなのだ。
※6 角質層まで
※7 引き上げるように動かすこと
価格表示は特記のない限り、税込価格です。
ブランドサイト:https://www.ya-man-tokyo-japan.com/
コーポレートサイト:https://www.ya-man.co.jp/
提供/ヤーマン株式会社 https://www.ya-man.com/
text:Kaoru Saito
illustrations: Haruka Toshimitsu

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