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「日本人はお金の使い方が『もったいない』と…」来日25年超のパックン(52)が日本で感じた“カルチャーショック”

パトリック・ハーランさんインタビュー #2

2023/03/18

 投資歴25年以上のベテラン投資家で、金融教育の講演活動なども積極的に行っている人気タレントのパックンことパトリック・ハーランさん(52)。近著『無理なく貯めて賢く増やす パックン式 お金の育て方』(朝日新聞出版)では、「パックン式・今日から始められる節約術や投資法」が綴られている。

 経済的に厳しい家庭で育った生い立ちから、「お金に縛られない」生き方を目指しているというパックンさん。そんな彼に、初心者でもできる投資の始め方や衝撃を受けたというアメリカの「超リアルな金融教育」、2児の父として子育てで大切にしている考えなどを聞いた。(全2回の2回目/1回目から続く)

パトリック・ハーランさん(52) ©杉山秀樹/文藝春秋

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奨学金返済に充てていたお金で投資を始める

——パックンさんと言えば、今や投資歴25年以上のベテラン投資家としても知られています。20代という若さで投資を始めたのは、何かきっかけが?

パトリック・ハーランさん(以下、パックン) 子どもの頃から母や学校の先生に投資の話は聞いていたから、いつかお金に余裕が生まれたら絶対に始めようと思っていました。

 日本で働くようになってからも徹底的に節約して、毎月5万~10万円のペースで奨学金返済を続けたら、2年くらいで完済できたんです。「これで自由の身だ!」と思ってから、それまで奨学金返済に充てていたお金で、すぐに投資を始めました。

——投資というと、失敗すると大きな損をしてしまうイメージがあって、なかなか手を出せない人も少なくないかと。

パックン まず、「投資とギャンブルは同じじゃない」ということは知っておいてください。ギャンブルと違って「みんなが得する(Win-Win)」、そして「価値あるものが手に入る」のが投資です。

 ただ、投資なら「絶対に損をしない」わけではありません。僕も投資を始めたばかりの頃、友達に勧められるがままに買ったインターネット関連の株で大損して、痛い目に遭ったこともありますから。皆さんには注意してほしいです。

 

日本とアメリカの金銭感覚の違い

——では、初心者でもできる投資の始め方は?

パックン 損をしない投資の原則は「分散して長期的に投資する」こと。この投資のコツを一番簡単に実現できるのが、「インデックスファンド」です。元本割れがどうしても怖いなら、企業が潰れない限り必ず返済される「債券」を持てばいい。

 色々経験して自信がついてきたら、余剰金で少し冒険してみてもいいんじゃないでしょうか。詳しいことは本に書いてあるから、ぜひ読んでみてください。