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昇進した妻を子供の前でも無視、自分の間違いを認めず妻を非難…モラハラ夫に「いつか気づく」はありえない

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夫婦間のモラハラで悩む人からの相談依頼が引きも切らない。夫婦問題研究家でパートナーシップアドバイザーの岡野あつこさんは「モラハラが続く限り幸せな家庭づくりは困難です。一刻も早く自分がしていることはモラハラだと相手に気づかせる必要があります。ひとつは、夫が認めている人から伝えてもらう方法。もうひとつは妻が別居を申し出る方法です」という――。

写真=iStock.com/bee32 ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

モラハラという言葉や概念が浸透し、それまでは黙って生活するしかなかった妻たちが「ウチの夫はモラハラだったのか!」「モラハラはひと事ではなかった!」と気づきはじめた。

その結果、夫のモラハラを理由に離婚を考える妻たちが増えている。「もう、モラハラ夫にガマンしなくてもいいのかもしれない」「こんなモラハラに耐えていかなければならないなら、別れよう」と離婚という人生の選択をする妻たちには、どんな事情があったのだろうか。今回は、夫のモラハラに気づいた妻たちの事例を紹介する。

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CASE1 自分の間違いを決して認めない夫

「昔から頑固な一面のある夫だったが、年を重ねてひどくなった。でも、まさかそれがモラハラだとは思いませんでした」と話すR子さん(49歳)は、5歳年上で元経営者の夫との夫婦問題の相談で私のもとを訪れた。夫の会社の経理をまかされているR子さんは26歳で妊娠を機に結婚、現在、社会人1年目の娘と大学生の息子がいる。

R子さんの夫は会社員時代に培った人脈とノウハウを活かし、30代半ばで独立。「自他ともに認めるほど仕事ひと筋の人。今まで順風満帆だったわけではないものの、持ち前の判断力と意思の強さを武器に、努力してなんとかやってきました」と、いちばん近くで夫を支えてきたR子さんは振り返る。

ところが「数年前に患った大病をきっかけに会社を売却し、リタイアして自宅で過ごすようになってから夫の様子がおかしくなっていった」とのこと。

「ただワガママに振る舞うだけなら慣れているものの、最近は自分の間違いを認めようとせず、私の落ち度だと思い込み『妻として失格だ』と言わんばかりに、何かにつけて強く非難してくるようになったんです」

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