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最後まで貫かれた『タモリ倶楽部』のユルさと粋。加藤浩次、アルピー、ぺこぱ、それぞれの番組の閉じ方

2023/04/06

source : 提携メディア

genre : エンタメ

 

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『タモリ倶楽部』(3月31日放送)

1939回目、最終回は「タモリ流○○レシピを訂正しよう」という料理企画。ゲストには「超大物」と紹介された爆笑問題・田中が登場。それを素直に受け入れて話し出す田中に劇団ひとり「その前に『超大物』って上げる感じに紹介したのをツッコんでもらっていいですか?(笑)」。

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その超大物が「書記」を務め、「生姜焼き」「ピーマンの醤油煮」のレシピを訂正していくのだが、いつもは調味料を熟練者ならではの目分量の感覚でやっていたのを数値化すると意気込んだ結果、いつもと勝手が違うからかグダグダになっていくのが可笑しかった。いちいち正確性を求めるひとりにタモリ「こんなうるさいところで料理したくないよ!(笑)」。

結局、時間がかかりすぎて本来は3品作る予定が2品で終了。「予定としたらここでほろりとくるような挨拶が入るんですが、台無し!」と笑うタモリが「40年間、本当にありがとうございました」と頭を下げる。最後にオフショットが流れる中、「DEAR SOPHISTICATED PEOPLE,THANK YOU FOR 40 GREAT YEARS.」という、番組のサブタイトル「FOR THE SOPHISTICATED PEOPLE」を踏まえたテロップ。

いつもどおりのユルさの中に洗練された大人の粋がある『タモリ倶楽部』らしい終わり方だった。もちろん、これでスッパリ終わるのがタモリらしいとは思うけど、しれっと半年後とかに何事もなかったかのように1940回目の放送が再開してほしいという思いはどうしても拭えない。「流浪の番組」だけに。