2022年に行われた、47都道府県各100人、合計4700人を対象にした花粉症に関する調査では、「花粉症の症状がある」と回答した人が49.6%となり、約2人に1人が花粉症を罹患(りかん)している可能性があることがわかりました(※2)。ほかにも、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査が約10年おきに3回実施されており、花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年には42.5%で、各回の調査で約10ポイントずつ増加していることがわかります(※3)。
つらい花粉症の症状を抑えるために、花粉症薬の服用で対策している人も多いでしょう。しかし、花粉症薬は副作用が出ることもあるため、服用には注意が必要です。花粉症薬として代表的な「抗ヒスタミン薬」の効果や副作用についてご紹介します。
※1 関雅彦、水足邦雄、田所慎、塩谷彰浩「くしゃみを契機に発症した椎骨動脈解離による小脳梗塞」Equilibrium Research, Vol.79(1) 20-26, 2020
※2 予防医学のアンファー「47都道府県ニッポン健康大調査第9弾!日本の2人に1人は”花粉症”!? ドクターが教える簡単にできる『花粉症対策』とは? 花粉症罹患率No.1は群馬県、山梨県、静岡県!」2020年2月18日
※3 環境省「花粉症環境保健 マニュアル 2022」2022年3月改訂版
花粉症薬で集中力の低下や眠気
ヒスタミンとは神経伝達物質で、花粉症の症状を起こす原因物質です。抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代があり、いずれもヒスタミンの働きを抑え、主に鼻水やくしゃみの症状を軽減させます。症状を抑えるのはもちろん、毎年強い症状が出ている人は、症状が出始める前に使用すること(初期療法)で、症状を軽くし重症化を防ぐことができるといわれています。
抗ヒスタミン薬の代表的な副作用は、集中力の低下と眠気です。抗ヒスタミン薬の多くは、添付文書に、自動車の運転や集中力を要する作業に関する注意喚起文が記載されています。