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それくらいならば「45歳くらいで第二の人生に踏み出させてくれたほうが選択肢が広がる」と思いませんか。

ちなみに、こういう話をしていると、「そもそもなぜ、45歳なのでしょうか?」と聞かれることがあります。たしかに45歳になったからといって、その瞬間に急に老け込んだり、体力やパフォーマンスがガクンと落ちたりするわけではありません。「まだまだ会社に貢献できる」「そんな年齢で企業から見限られるなんて悔しい」という人もいるでしょう。

これは私個人の見解ですが、「45歳」という年齢は、逆の見方をすると、まだ「若さ」がある年齢だからと考えられないでしょうか。もちろん個人差はありますが、「45歳」という年齢はまだまだ体力も気力もあるし、新しいことへの柔軟さもあります。しかも社会経験もある程度積んできているので、周囲からすれば安定感もある。世の中の転職市場もまだ閉じておらず、異ジャンルへ転職できる可能性が残っている。そんな状態がだいたい「45歳」くらいなのです。

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外の世界を知らずに高齢になる「恐怖」

年功序列型の日本企業では、高パフォーマンスを発揮しない社員でも、ある程度の年齢に達していれば、それなりの給料を払い続けなくてはなりません。かといって、明確な理由なく減給や左遷、解雇などもできません。そう、日本企業では、被雇用者はかなり手厚く守られているんです。

しかし、その仕組みの弊害は、ご存じの通りです。雇用側は、パフォーマンスを発揮しない古参社員にも高い給料を払い続けることで、若くてやる気のある新入社員の採用や若手社員の昇給に弾みがつきません。一方の中高年の被雇用者は、必至で職場にしがみつくことで、外の世界を知らずに高齢になっていきます。それって実はとても恐ろしいことだと思いませんか?

企業の本音は「高齢者を雇い続けたくない」

現在、日本企業の94.4%は、定年制を設けていますが、問題はその年齢です。厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、2017年時点で定年を「65歳以上」に定めている企業はわずか17.8%でした。しかし、5年後の2022年には24.5%にまで上昇しています。