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“学会”の活動に奔走、ネグレクトしたうえ自殺した母「可哀そうと思っていたが、今改めて怒りを感じる」宗教2世の娘

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会, 政治

日蓮聖人を信仰する法華経系の仏教団体であり、公称約800万世帯の在家信者がいる創価学会。聖教新聞や大学などの教育機関を有し、公明党の支持母体にもなっている。漫画家の菊池真理子さんは「母親は“学会”の活動に奔走するあまり、私たちをネグレクトした上に、自殺してしまった。大人になっても母のことを可哀そうな人だと思っていたが、今は改めて怒りを感じている」という――。

※本稿は、横道誠(編)『信仰から解放されない子どもたち』(明石書店)の一部を再編集したものです。

漫画=菊池真理子、『信仰から解放されない子どもたち』より

信仰熱心な母と入信しなかった父の間に生まれて

母が創価学会員でした。岩手県の出身で、母が中学校2年生ぐらいのとき、母の兄、つまり私の伯父がもう治らないかもしれないと言われるような大怪我を足に負いました。それで伯父が創価学会に入信して、勤行をしていたら、怪我が治ったそうです。母はそれを見て、これは本当に信じていいものだと思ったらしくて、自分でも創価学会に入信して、そのあとに自分の兄弟姉妹や親を折伏(しゃくぶく)して創価学会に入れたという経緯があります。中学時代から、黒板に雲の絵を描いて、そこから雨が降っている様子の絵にして、「ご本尊様というのはこの恵みの雨のようなものです」とクラスで発表するような熱心な信者だったようです。

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世俗的なことには興味がない人で、西城秀樹のファンだったという側面はありますが(笑)、ほかには何が好きかはほとんど聞いたことがありません。創価学会の信仰にまっしぐらです。この母の娘として、私は宗教2世でした。

両親の結婚式に父の親戚は誰も来ていなかった

父と母は同じ中学校の出身です。母は父より学年がひとつ下でした。父は学校でわりと目立っていて、生徒会長をやっていたので、母は父を知っていて、父は母を知らないという状況だったんです。そのあと父は進学校の高校に進んで、母は商業高校に通ったと聞きました。そのまま離れてしまったわけですが、おとなになって東京に出てきたときに偶然再会しました。父が勤めていた会社に母も事務員として入ってきて、それで母のほうが「生徒会長の先輩だ!」とびっくりして、母からアタックしたという経緯があります。