それでオウムにしばらく在籍していたんですけれども。20歳になって完全に脱会することになりました。オウムがアレフに改称する前後です(のちに「アーレフ」を経て、現在は「Aleph」)。
教団幹部のお嫁さん候補だと言われ逃げ出した
きっかけは、1999年に上祐さんが刑務所を出て、新しくできたアレフが分裂しはじめたんです。その分裂しているさまを見ていて、なんて醜いことをしているんだ、とがっかりしたことです。それに私を拉致しようという噂が出ていたんです。上祐さんのお嫁さん候補にすると、そういう噂が流れていまして。ほかにも拉致された人がいるらしいという噂があって、それがとにかく恐怖で。上祐さんとは、シャクティーパットを受けているぐらいで、お話をしたことはほとんどありません。詳細は私もわからないんですけれども、私をどこかに連れさると、そういう話が出ていたので、とても恐怖があって私は行くのをやめました。
麻原への帰依が解けたのは、30代の初めの頃です。例の母の従妹が、新たな宗教を私たちに勧誘してきたのがきっかけでした。「まだオウムを信じてるの?」とあっけらかんと言われて。「あなたが私たちを入れて、ここまでにしたのに、なんてことを言うんだ」とほんとうに許せなくて。でも、その怒りで麻原のこともどうでもよくなりました。母の従妹には、もう一生会わないと決意しています。
教祖への帰依は辞めたが潜在意識には残っている
オウムに帰依はしなくなりましたが、マインドコントロールが完全に解けたとは思いません。たとえば近々手術をするんですけれども、手術をするということは体を傷つけますので、体のエネルギーの流れが変わって、成就をする道、魂を傷つけると、そういうふうに習ってきました。ですので、「手術をどうですか」とお医者さんから勧められて、「はい」と言えませんでした。もちろん手術というのは大変なことなので、「考えさせてください」という思いもあったのですが、私が最初に頭に浮かんだのはオウムの教義なんです。