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アメリカ人の熱狂ぶりに出演者が驚いた…「スーパー戦隊シリーズ」が米国で30年続く長寿番組になったワケ

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一方、主に白人のみがヒーローを演じていた伝統を覆したとの評価もあるようだ。初代ブルーのヨスト氏は、同紙に対し、異なる人種のヒーローたちが結束して悪に立ち向かうスタイルは、その後のキッズ番組の先を行っていたと評価する。

初代レッド役は首都ワシントンの救急救命士になった

戦隊シリーズはまた、人命救助にあたる職業の尊さを多くの視聴者に伝えたのかもしれない。ヒーローたちの導き役「ゾードン」を演じたデイビット・フィールディング氏は、ガーディアン紙に対し、「救急救命士や消防士など、一般市民の命を救う職業」を目指すよう、将来の職業への意識を新たにした視聴者も多かったのではないか――と私見を語っている。

初代レッド役のオースティン・セント・ジョン氏自身も、ヒーローに感化された人物のひとりだ。CBSのエンターテイメント・トゥナイトやハフポストによると、氏は役を離れたのちに大学で学び直し、ワシントンD.C.エリアで救急救命士および消防士として活躍した。

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ジョン氏はハフポストに対し、現場で救った人々がまれに、氏の顔に見覚えがあることに気づくことがあったと語っている。尋ねられて正体を明かすと、まさか元レッドレンジャーに救助されたなんて、と人々は愕然とするのだという。

日本の戦隊ヒーローは、アメリカのファンにも愛され続けている

1993年から始まったマイティーモーフィン・パワーレンジャーは3年間続き、人気の高さからさらに延長が決定。以来、日本で放映されている比較的新しいシリーズをベースに1~2年おきにリニューアルし、「パワーレンジャー」として続いてきた。

2021年にNetflixへの配信に切り替わってからも、シリーズは継続している。シーズン29を数える最新作では、日本で2019年から翌年にかけて放送された『騎士竜戦隊リュウソウジャー』をベースにした『パワーレンジャー・ダイノフューリー』が登場。2022年9月に最終話が配信され、すでに続編の制作がアナウンスされている。

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