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「仕事が忙しいから、週末は家で過ごすようになった」も黄信号 産業医が解説 "もうすぐ潰れる社員"に多い3つの特徴

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 働き方, ヘルス

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毎日6時間は「布団にいる時間」が必要

忙しいビジネスパーソンから、「ベッドにいる時間は4〜5時間ですが、いつもすぐ眠れて、アラームがなるまで爆睡しています。これで大丈夫ですか?」と、聞かれることがよくあります。実はこのような人こそ、注意が必要です。今は大丈夫でも、ちょっとしたことで寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりするようになると、容易に4時間未満の睡眠となり、メンタルヘルス不調になるリスクが高まるからです。

こうならないためには、毎日最低でも6時間ほどは布団にいる時間を確保するのがポイントになります。たいてい人は睡眠の1サイクルが90分ですから、6時間横になっていれば90分のサイクルが3〜4回はとれていることになります。そうしていれば、仮に寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりしても、3サイクルくらいは眠れていて、睡眠不足からの体調不良は免れると思います。

忙しくてどうしても毎日6時間の睡眠時間を確保できない場合は、週末と平日に1回ずつでいいので、6時間確保するようにしましょう。それだけで、睡眠不足からくるメンタルヘルス不調はかなりの確率で予防可能です。

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自分より他人を優先するベテラン社員

睡眠時間が4時間未満でなくても、面談で「もうすぐ潰れそうだ」と感じる人がいます。それが3つめの、「朝起きられないのが怖くなって、ソファで寝るようになった人」です。

Bさんは50代の独身女性、ベテラン社員として部下から何かと相談を持ちかけられやすい方でした。嫌な顔をせず人の相談に乗り、困っている人は惜しみなく助ける彼女は、職場では誰にも慕われる人でした。が、いつも自分よりも他人を優先するあまり残業は当たり前となっており、とうとう上司が体調を心配して、産業医面談を受けるように言ってくれたのでした。

面談で体調を確認すると、この数年間、睡眠は取れているものの熟睡感はなく、疲労が溜まっている印象でした。すぐに通院すべき状況ではなかったため、しばらくの間産業医面談に来ていただき、お話ししましょうとなりました。