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お酒の自販機の前で倒れて死んだ人もいる…サーカスを出たスター芸人が「日本社会」に戸惑ってしまうワケ

source : 提携メディア

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困難をしっかり乗り越えて生きてきた人だからこそ、幸せなサーカスの時間というものの本当の姿を私に伝えてくれようとしたんだと思います。いつかは夢から覚めるし、祭りは必ず終わるんだと。

サーカスで生活することが良いとか悪いという問題ではなく、非日常を日常として生きるサーカスの世界から社会に出ると、環境の変化があまりにも大きかった。でも、その後のその「日常」とは違う世界がそこにあったからこそ、サーカスにいた時間は一生ものの記憶として強く残り続けるのかもしれませんね。

稲泉 連(いないずみ・れん)
ノンフィクション作家
1979年東京生まれ。2002年早稲田大学第二文学部卒業。2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三の詩と死』(中公文庫)で第36回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。著書に『ドキュメント 豪雨災害』(岩波新書)、『豊田章男が愛したテストドライバー』(小学館)、『「本をつくる」という仕事』(筑摩書房)など。近刊に『サーカスの子』(講談社)がある。
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