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アプリで誘い出し"テキーラショット一気"で20万円請求…新宿・歌舞伎町で横行するぼったくりバーの最新手口

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

被害が急増すればいまのように警察が動くようになるが、それによって被害が減ると警察はまた「民事不介入だ」と言って野放しにする。だから、「いたちごっこ」が起きるのだ。

「店を閉めてるならバーを貸してほしい」

ぼったくりグループの被害に遭っているのは、マッチングアプリの利用者だけではない。最近では、行きつけの店がいつの間にかぼったくりバーとして営業しているケースが増えてきている。

「まさか自分の店が知らないうちにぼったくりバーになっていたなんて思いもしなかった」そう語るのは歌舞伎町でバーを営む男性のBさん。自分の店で起きている異常な状況に困り果てていた

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Bさんは、コロナ禍による緊急事態宣言中にコロナ協力金を東京都から受け取っていた。1日に6万円ももらえるのであれば家賃は問題なく支払えるし、店を開けたところでたいした集客も見込めないので、完全休業にしていた。

そこに「店を閉めているのなら、金を払うのでバーを貸してほしい」と、ある男から接触があった。賃貸物件は民法上で、賃貸人の承諾を得なければ賃借物を転貸することはできないと定められており、基本的には禁止行為だ。しかし、相手から提示された額は正規の家賃の1.5倍だった。空いている箱を貸すだけで家賃がタダになり、そのうえ50%のマージンまでもらえる。

Bさんは軽い気持ちで休業中の自分の店を又貸ししてしまった。賃貸借契約を結べるわけがないので、相手の男とは業務委託の契約を結んだ。

自分の店がぼったくりバーとして使われていた

Bさんが異変に気が付いたのは、又貸しを始めてから数カ月後のことだった。日中、自分の店に入りテーブルに置いてあった伝票を見ると、1組あたり10万円以上の会計が目立った。1日に平均して3組が店を訪れており、単純計算でも1カ月に900万円の売り上げだ。雑居ビルに入る小さなバーとしては異常な額である。

「監視カメラの映像を確認してみると、自分の店の前で客と店員がもめていました。そのとき自分の店がぼったくりバーになっていることに気付いたんです」

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