文春オンライン

1988年、実名で出版された最初の告発本『光GENJIへ 元フォーリーブス北公次の禁断の半世紀』の内容とは

source : 提携メディア

genre : ニュース, 芸能, 社会, 読書

そのときの様子を北は「舞台そで」にいた「ハンサムな青年」に声をかけられたと綴っている。それが当時33歳前後のジャニー喜多川だった。高校へは進まず、16歳にして無職だった北は、彼に拾われた形で四谷にある「お茶漬け屋の二階」に住まわせてもらうことに。しかし、まったく予想していなかったことに、それから4年半もジャニーと性的な関係を続けることになったと記している。

16歳の少年だった北公次は性行為を拒絶したというが…

北の手記によれば、下宿して2日目の夜に、ジャニー喜多川が自分の布団の中に入ってきた。そして、数日後には、アイドルデビューを約束するような言葉を吐きながら、北の体をマッサージして全身にキスをし、性器を弄り始めたという。さらに北の性器をみずからの口にふくみ、「やめてください」「いやですよ」と拒絶した北を「巧みな技巧で」射精させた。本の描写はとても生々しく、そのときの性行為が詳細に記してあるが、その被害パターンは2023年5月17日に放送された『クローズアップ現代』(NHK)で紹介された比較的新しい証言とほぼ合致する。

同番組で証言した元ジャニーズJr.の二本樹顕理(にほんぎ・あきまさ)は、1990年代、中学1年の時にジャニー喜多川からジュニアの「合宿所」(都内高級ホテル)に泊まるように言われ、そこで性被害に遭ったと語った。

ADVERTISEMENT

「寝入る頃から(ジャニー喜多川が)ベッドの中に入って、最初は肩マッサージしたりとか体全体を触られるようになりまして、足とかもまれたりする感じですね。そこからだんだんパンツの中に手を入れられて性器を触られ、そこから性被害につながっていくようになるんです。そこからオーラルセックスされました」(『クローズアップ現代 “誰も助けてくれなかった” 告白・ジャニーズと性加害問題』より)

性経験がなかった少年たちはひどく困惑したと告白

昭和の活動初期から大企業に成長した平成まで約50年間、ジャニー喜多川はスカウトした少年たちに同じような手口で性的なことを強いてきたのではと推測できる。