きょう2月28日は大関・髙安の誕生日だ。1990(平成2)年生まれの28歳。本名は四股名と同じ髙安晃(あきら)。中学を卒業した2005年、父親の勧めで旧鳴戸部屋(13年12月より田子ノ浦部屋)に入門。それまで相撲経験はまったくなく、厳しさに耐えかねて何度か脱走したこともあった。だが、鳴戸親方(故人、元横綱・隆の里)の温情のおかげで部屋にとどまり、やがて頭角を現す。十両昇進(10年)、新入幕(11年)、初金星(13年)、新三役(同)はいずれも平成生まれでは初だった。
昨年(17年)の初場所で兄弟子の稀勢の里が初優勝したときには、パレードで旗手を務めた。そもそも旧鳴戸部屋に入ったのは同じ茨城出身の稀勢の里がいたからであり、常にその背中を追い続けてきた。兄弟子の優勝パレードに立ち会った感想を問われた髙安は、《最高の景色でした。(中略)自分もいつかは、あそこに座りたい》と答えている(『Number PLUS 疾風!大相撲 新時代の力士たち』)。この前年(16年)の九州場所では大関取りに失敗していたが、再度奮起し、夏場所で11勝4敗の成績を収め、大関昇進を果たす。直後の名古屋場所では9勝6敗で勝ち越した。
2場所連続の途中休場を経て迎えた今年の初場所では12勝し、大関昇進後初めて2桁白星をあげる。しかし賜杯は平幕の栃ノ心にさらわれ、《次こそ自分という気持ちで》と語った(『相撲』2018年2月号)。幕内初優勝を待ち望むファンは多いことだろう。来月11日からの春場所での活躍が期待される。