それでも、これは京都人の遠回しなやさしさでもあるのだそうで、「?」の形にすることで、ストレートに「こうしてください」と言葉にするよりも、コミュニケーションがやわらかくなるのを分かってほしいとのこと。少なくとも相手を傷つけたいとは思っていないのだ、という意思表示と思ってもらえたら、と訴える本人方からの声があったことは、書き添えておきたいと思います。
あとは使い続ける中で、「?」の使い方の腕を上げていきましょう。
「アホやから」はマイルドな断り文句
レッスン2 自分を下げる「枕詞」を入れて、断る
次にご紹介するのは、自分を少し下げる言葉をクッションにして、続けて本当に言いたいことを言う方法です。
枕詞的に自分を下げてはいるのですが、本心としてはどちらが上とか下とかいう気持ちはさらさらなく、単なる衝撃をやわらげるためのクッション的な表現として、自分を下げているそうです。
心にもなくとも、とりあえずクッションを入れることによってコミュニケーションを一見マイルドにして、相手が受け入れやすくするという効果を狙っているんだ、とおっしゃる方もいました。
たとえば、何かのお誘いを受けたときなどに、「アホやから、分からへん」と言う言い方があります。端的にいえば「お断りします」ということなのですが、「アホ」という、どことなくユーモラスな言葉を使うことによって、否定や断りをマイルドにすることができる。ごり押しの回避にも使えるマジックワードだと教えていただきました。
「不勉強やから」と自分を下げてやんわり否定する
ただ、東京ではアホという単語自体をあまり使いませんし、関西とはニュアンスも違ってしまいますから、別の表現がいいかもしれませんね。
候補を考えてみますと、下町で使われるような「僕はおっちょこちょいで困ってるんですよ」というような言い回しは使えるかもしれません。
「わたし、バカだから」というのも人によって、シチュエーションによっては使えるかもしれませんが、アホという単語の持つ、そこはかとないおかしみと比べると響きが強く、やや使い方が難しくなるでしょう。