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アルコール依存症者の9割は自覚がない…精神科医が「一日も早く飲酒をやめて」と訴える危険な飲み方とは

source : 提携メディア

実際、依存症になった女性に話を聞くと、最初の異変が「料理をしながらの飲酒だった」との証言が少なくありません。また、味つけが以前と変わったり、食卓を囲んだとき、お母さんだけがトロンとした目をしていたりして、家族が異変に気づくこともあります。夫の帰宅を待って、一緒にワインを1杯程度飲めば満足なのか、帰宅を待てずに飲んしまうのかが分かれ目です。

「やめたくてもやめられない」その苦しみが酒量を増やす

●飲みすぎを注意されても「否認」に徹する

料理をつくりながらの飲酒もそうですが、家族や周囲の人から「ちょっと飲みすぎじゃない?」と指摘されて、「大丈夫、私は問題ないから」などと否認したら、これも危険を表すサイン。飲みすぎを認めないと健康管理をしないので、体調も家族関係も悪化の一途をたどりかねません。

もともとの性格が頑固で人の話を聞かない人ほど否認傾向が見られ、本物の依存症に移行しやすいのです。逆に、注意されたとき「たしかにちょっと飲みすぎだった」と認められる人は、依存症にはなりづらいタイプです。

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●飲酒をやめたくてもやめられない自分に「罪悪感」を覚える

「もっと量を減らさなくちゃ……でも無理だ」「やめたくてもやめられない」という心境で飲んでいるなら、すでにアルコールの副作用で自分をコントロールできない状態です。

言っていること(思ったこと)とやっていることが異なる「言行不一致」の状態を続けることは精神的な苦痛を伴うため、それがお酒に逃げる原因になり、酒量が増えやすくなります。

●飲む理由を自分以外に向ける「責任転嫁グセ」がある

アルコールへの依存がある程度進むと、ほとんどの人は、飲む理由を自分以外に向けます。「仕事のつき合いで飲まないわけにはいかないんだ」「人間関係のストレスで、飲まずにいられない」などが一般的です。

このような「責任転嫁グセ」がついたら要注意。その場合、相手を恨んでしまい家族関係、人間関係も悪化しやすくなります。

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