そこで、自律神経のバランスを整える意識が重要になりますが、その中でのポイントのひとつが「行動を決める」あるいは「行動が決まっている」ということです。具体的な対処法をご紹介しましょう。
上司に叱られた後のルーティーンを決めておく
たとえば、上司に叱られるというストレス要因に出合ったとき、たいていの人は自分の席に戻って怒りを持続させたり、落ち込んだり、反省したりするでしょう。
しかし、残念ながらこの方法では、自律神経は整いません。ほぼ間違いなく、自律神経のトータル的なパワーは下がっていくでしょう。冷静な判断ができず、集中もできません。
ここで私が提案したいのは「上司に怒られたときは、休憩室に行って水を飲み、ゆっくり深呼吸をする」というルールを決めておくことです。
ルールとして決まっているのですから、そのときの感情、状態、自律神経など、余計なことは一切考えず、ただ休憩室に向かえばいいだけです。
そのルールが「自律神経を整える」「副交感神経の働きを高める」ものであれば、自律神経のバランスが崩れず、自然にトータル的なパワーが上がり、冷静に物事を考えられるようになります。
上司に怒られて交感神経が跳ね上がっているときにわざわざ「なぜ、あんな失敗をしてしまったんだろう……」なんて、深刻に考える必要はありません。
まずは、自律神経の状態を整えて「考えるのに適したコンディション」をつくってから、思う存分悩んでプラスにつなげればいいのです。
怒られてもすぐには反省しない。
そのための行動や反応を「決める」「決めておく」ことが大事になるわけです。
忙しいときほど軽い運動をスケジュールに組み込む
また、自律神経を整えるのにとても効果的なのが、階段の上り下りです。
パソコンに向かってじっと座っている状態から、1~2階分の階段を上り下りするだけで、確実に血流はよくなります。階段を上り下りするトントントンというリズミカルな動きも自律神経に効果的に作用し、適度に副交感神経を高めてくれます。