文春オンライン

「あの女を殺しに行く」練馬フィリピンパブ 41歳ママを包丁でメッタ刺しにしたクレーマー男の“逮捕歴”

「助けて!」

 

 7月6日午後11時過ぎ、練馬区。飲食店が集う一角に、女性の悲鳴が響いた。声の主はすでに胸から血を流していたが、スーツ姿の男からさらに二度、三度と背中や腰を刺される。女性が必死で逃げると、男は真っ赤に染まった包丁を手にしたまま悠然と歩いて、その場を去っていった――。

 警視庁練馬署は約5時間後、現場から300メートルほど離れた自宅にいた無職の最上守人容疑者(64)を殺人未遂容疑で逮捕した。

「刺されたのは、41歳のフィリピン人女性。現場近くのフィリピンパブ『X』の店長です。幸い命に別状はありませんでしたが、重傷でした。最上は『店を出入り禁止にされた。相手にされず、バカにされたと思って刺した』と容疑を認めています」(社会部記者)

 最上は以前からXでトラブルを起こしていた。

ADVERTISEMENT

「あいつは、Xの女性スタッフに惚れていて、その女性と仲良くしていた他のお客さんに嫉妬して、店で絡んでしまったようです。それがきっかけでXを出入り禁止になった。事件の数日前には『あの店を出禁になって、俺はどうすればいいんだ』と途方に暮れている様子が目撃されています。周辺には別のフィリピンパブもあったんですが、“浮気”する気はなかったみたいですね」(繁華街関係者)

逮捕された最上守人容疑者(ANN-NEWSより)
事件が起きたフィリピンパブは出禁だったという最上守人容疑者(本人Facebookより)

 事件現場近くの飲食店店員も最上の異様な様子を目撃していた。

「2年ぐらい前から、練馬近辺の店や施設の悪評をネットに書き込んでいると有名でした。事件の3カ月ぐらい前からはほぼ毎日、Xを見張るようにスーツ姿で路上に立っていた。背が高くてボウズ頭のうえ、いつもスーツだから目立ってました。異様な雰囲気なので、みんな警戒していたんです。Xの他にも出入り禁止の店は何軒かあった」

 最上の危うさは警察も把握していたという。

関連記事