セ・リーグ4位、勝率は5割を行ったり来たりと、優勝争いからはほど遠い巨人。8月23日のヤクルト戦(東京ドーム)では、あるアクシデントで大わらわとなった。先発予定だったグリフィン投手が試合前に打撃練習のボールが頭に直撃して負傷し、登板回避を余儀なくされたのだ。
スクランブル登板を誰が担うのか。投手陣に緊張が走る中、毅然と手を挙げたのが、翌日に先発予定だった菅野智之投手(33)だった。
スポーツ紙巨人担当記者が言う。
「この日、翌日の登板の調整でブルペン入りしていた菅野は、グリフィンの負傷を聞き『いま状態がいい。自分が投げるのがベストでしょう』と投手コーチに志願したのです。結果、7回3失点と粘りの投球を見せ、勝ち負けこそ付かなかったものの、チームのサヨナラ勝利に貢献しました」
当初の代役候補は2軍から上がってきたばかりで、翌24日に先発予定だった2年目の赤星優志投手(24)だった。
「ただ、赤星は2軍戦で120球を投げてから4日しか経っていなかった。菅野の志願のおかげで、赤星は予定通り24日に登板し、7回無失点と好投しました」(同前)
今季は怪我に苦しみ、これまでわずか3勝と、なかなか調子が上がらなかった菅野。その親孝行ならぬ「伯父孝行」に、原辰徳監督もさぞ目を細めているかと思いきや、さにあらず。