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《ジュリー氏退任で新社長へ》ジャニー喜多川氏“性加害問題「全てはこの記事から…」ジャニーズJr.たちが『悪魔の館』で強いられる“行為”《全文公開》

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source : 週刊文春 1999年11月4日号

genre : エンタメ, 芸能

 ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏(2019年死去、享年87)の性加害問題を巡り、8月29日、事務所が設置した「再発防止特別チーム」が記者会見を開いた。約3カ月に及ぶ調査の結果、ジャニー氏による性加害があったことを認定。被害者への救済策を打ち出すこと、ガバナンス強化のため藤島ジュリー景子社長(57)の辞任などを提言した。


「週刊文春」は同日、スクープ速報でジュリー社長が辞任する意向を固めたことを報道。これにより、60年にわたり続いたファミリービジネスは終焉を迎えることが決定的となった。


 日本ではずっと黙殺され続けてきたジャニー氏による性加害問題。今年3月に英BBCが報じるまで唯一、正面から取り上げたのが「週刊文春」だった。小誌は1999年10月から14週にわたってキャンペーン報道を展開。被害を受けたジュニアたちの告発をもとにジャニー氏による性的虐待の実態を明るみに出した。


 キャンペーン報道が始まった直後の99年11月、ジャニー氏と事務所は小社・文藝春秋を名誉毀損で提訴。2002年3月の東京地裁判決は、主要な9つの争点のうち、ジャニー喜多川氏の「性加害」ほか5件の真実性・相当性を否定。小社にジャニー喜多川氏へ440万円、ジャニーズ事務所へ440万円の支払いを命じた。


 双方が控訴して迎えた03年7月の高裁判決は一転、東京地裁判決が認めなかったジャニー喜多川氏による「性加害」の真実性を認めた。ただしジュニアらが日常的に飲酒、喫煙をしていること、ジュニア4人が起こした万引き事件をジャニーズ事務所とテレビ局が封印したこと、所属タレントが冷遇されていること等については、一審に続いて真実性・相当性を認めず、小社にジャニー喜多川氏へ60万円、ジャニーズ事務所へ60万円の支払いを命じる判決を下した。ジャニー喜多川氏とジャニーズ事務所は、高裁判決を不服として上告したが、最高裁はこれを受理せず、04年2月に高裁判決が確定した。


 ジャニーズJr.への性加害が注目される発端となった小誌のキャンペーン報道はいかなるものだったのか。今回、全てのきっかけとなった記事を期間限定で特別に無料公開する。


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 六本木「アークヒルズ」にあるジャニー喜多川氏の自宅は、ジュニアたちから「合宿所」と呼ばれている。少年たちが泊まるからだ。が、この場所を彼らは別名「悪魔の館」とも呼ぶ。なぜなら、ここに泊まると、夜、ジャニー氏が忍びこんでくるからだ。おぞましい目的で。(初出:1999年11月11日号「週刊文春」 年齢・肩書き等は掲載当時のまま)

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「エッチな画像で興奮させる」「おしぼりで拭いてくれる」

 驚いたことに、小誌が取材したすべての少年たちが、前出のA君が経験したように、ジャニー喜多川氏から口で性器を弄ばれていたのである。

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ジャニー喜多川氏

「寝ていると、テレビでAVみたいな画像を映すから、暗闇の中で画面が光っている。そのエッチな画像で興奮させるんです。ジャニーさんの手の甲は毛深いんで、ちくちくするけれど、マッサージは筋肉がほぐれて本当にうまい。でもパジャマを脱がすと、すぐに口です。いつも歯が当たって、痛いんですよ。

 ジャニーさんは、飲みますよ、吸いついてきますよ。

 その後、熱いおしぼりで拭いてくれて、自分は洗面所で歯を磨いているみたい。そういう音が響いてくるから」(合宿所に泊まったことのある元ジュニア)

 同じ部屋に寝泊まりしている少年たちの中には、ジャニー氏の“行為”に気づく者もいるというが、

「みんな起きちゃいけないと必死に寝たふりをしてます。次にこちらに来ないようにと、祈っているんです。

 どうしても嫌なときは、寝返りをうつフリをして、ジャニーさんのことを蹴るんですが、蹴ってもあきらめないことがあるんですよ」(別のジュニア)

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