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「力が抜けた瞬間、ジャニーさんに下着を下げられ……」KinKi Kids、V6のバックダンサーを務めた橋田康氏が実名顔出し告白「話をしたら両親は泣きました」《ジャニーズ性加害》

 9月7日、ジャニーズ事務所は記者会見を開き、故ジャニー喜多川の性加害問題への対応を表明。ジャニー氏の性加害を認めた上で、藤島ジュリー景子社長(57)の社長退任、東山紀之(56)が新社長に就任することを発表した。一方で同会見内では、代表取締役としてジュリー氏は残留、「ジャニーズ」の名称も存続することを明らかにするなど、その経営方針に疑問の声も上がっている。

 ジャニー氏の性加害問題については、とりわけ日本では「週刊文春」が率先して報じてきた。世間の流れを変えるきっかけとなった記事を期間限定で特別に無料公開する。(初出:週刊文春 2023年5月18日号 年齢・肩書等は公開当時のまま)

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 13歳の少年は、地方での公演を終え、仲間たちと共に事務所が手配した高級ホテルに泊まっていた。皆が寝静まった深夜のことだ。鍵を閉めていたはずのドアが、音を立てて開いた。廊下から光が洩れ、スタスタと人の近づいてくる気配がした。

「ジャニーさんのそういう噂はちょっとあったけど、もしかして……」

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実名で取材に応じた橋田のジャニーズへの想い

 過去8週にわたり小誌が報じてきた、ジャニーズ事務所創業者・ジャニー喜多川氏による性加害。被害を告白した元ジュニアは合計で11人にのぼる。

 事態が動いたのは、実名・顔出しで登場したカウアン・オカモト氏(26)の告発が切っ掛けだった。彼が4月12日に日本外国特派員協会で会見を開くと、これまで沈黙し続けてきた新聞・テレビも報じ始めた。

 ジャニーズ事務所も無視はできず、CMスポンサーなど取引先企業に、藤島ジュリー景子社長名義で、性加害問題の調査を開始した旨を記した文書を送ったことが明らかとなったのだ。

 そして今回、新たに実名・顔出しで被害を告白してくれたのが、1998年からジャニーズJr.として活動をしていた橋田康氏(37)だ。

勇気をもって告白した橋田氏

「誰か分からない人間がイニシャルで話すより、顔を出して自分の言葉で話した方が、強く世の中に発信できると思ったからです」

 今も芸能活動を続ける橋田氏は、実名で取材に応じた理由をそう語る。今もジャニーズへの思いは強い。

「ジャニーさんが作り上げてきた世界は本当に凄い。性加害を単に否定するというより、ジャニーズがいい方向に変わっていくために、お話しすることにしました」

 彼が事務所に入ったのは13歳の時。友人から履歴書を「送れ」と言われ、親戚がファンクラブに履歴書を送った。すると事務所から電話があり、テレビ朝日に呼ばれた。滝沢秀明がMCを務めたバラエティ番組『8時だJ』のオーディションだった。

「何台もカメラが回る中、名札をつけて大人数で踊りました。その後は、仕事があれば電話で呼ばれた。呼ばれなければそれで終わり。辞めるまでずっとそんな感じ。ずっとドキドキハラハラしていた」

「こんなに優しくて良い人が」

 後にKAT-TUNやNEWSになるメンバーらと一緒に、ジュニアとして活動をしていた橋田氏。KinKi KidsやV6のバックダンサーを務めた。ジャニー氏との最初の接点は、オーディションの2次審査だったという。

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