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20年ぶりの女性外相 上川陽子 議員はどんな人? 法相時代はオウム死刑執行も 「不易流行」を胸に刻み【静岡発】

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genre : ニュース, 政治

 

岸田首相は9月13日に内閣改造を行い、外相には上川陽子衆議院議員(静岡1区選出)を起用した。過去には法相などを歴任してきた上川議員。これまでの取材などを基に、その素顔や経歴、考えを紹介する。

政治家を志した原点はアメリカ留学

新しい外相に任命された上川陽子議員は1953年・静岡市生まれの70歳。静岡雙葉中・高から東京大学を経て、三菱総合研究所に就職した。しかし、当時は男女平等という概念が薄い時代で「事務職で入社した」という。

自身のキャリアを大きく変えたのが、1985年に制定された男女雇用機会均等法だった。これにより社会や会社の制度が変わり、「試験を受けて研究職に就くことができた」そうだ。

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1986年から1988年にかけては政治行政学を学ぶため、アメリカのハーバード大学大学院に留学。「自分自身シンクタンクに勤め、時代の大きな流れの中で情報化時代を先取りするアメリカを勉強した上で、日本の政策作りに役立てたい」と考えたからだ。

アメリカ留学を経て国政挑戦の意思を固める(1995年12月)

ただ、時は貿易摩擦の真っただ中。現地に行って感じたのは「日本が何を考えているのかという発信の面、理解を得るための努力が弱い」という思いで、同時に「政治の役割を痛切に感じた」と振り返る。アメリカでは上院議員の政策立案スタッフを務め、大統領選の選挙運動にも参加。そして、日本に帰国すると「外から見た日本を思い、政治のリーダーシップが必要だと痛感し、日本の将来を考えた時に政治の中に身を置いてやっていきたい」と政治家を志した。

若手時代は紆余曲折あった政治家人生

衆議院議員選挙に初めて挑戦したのは1996年。静岡1区に無所属で立候補するも、結果は得票数5位と惨敗した。

初めての選挙では惨敗(1996年9月)

その後自民党に入党し、迎えた2000年の衆院選。6人が立候補する中、民主党の元職をわずか572票の僅差で上回り初当選を果たしたが、自民党の公認候補がいるにも関わらず立候補を強行したため、選挙前には自民党を除名されている。