会見後3日で「指名NGリスト」があったことが判明。他にもさまざまな疑惑があるジャニーズ事務所の会見。その様子を生中継で見ていたライターの田幸和歌子さんは「ふだんエンタメの会見に出ている経験からも、激しいヤジが飛び交い、一転して拍手も起こる異様な雰囲気に違和感を抱いた。そこで会見の場にいた4人の記者、編集者に実際のところを聞いてみた」という――。
最大の謎は、多くの人が違和感を抱いた井ノ原氏への拍手
10月2日、ジャニーズ事務所の会見をテレビの生中継で見ていて、思わず耳を疑った。登壇者であるジャニーズアイランド代表取締役社長・井ノ原快彦氏が抗議する記者らをなだめるようにこんな言葉を投げかけたためだ。
「落ち着いて行きましょ。じっくり行きましょ」
「小さな子どもたち、ジャニーズJr.の子どもたち、被害者の皆さん、自分たちのことでこんなにモメているのかと見せたくない」
「ルールを守っていく大人たちの姿を見せていきたい」
国連すらも動いたジャニー喜多川氏の性加害問題、それも、よりによって長年にわたる大勢の少年たちへの加害についての会見で、まさか「子どもたちに見せたくない」とは。正直、開いた口がふさがらなかった。しかし、さらに驚いたのは、直後、会場から拍手が起こったこと。思わずX(旧Twitter)でつぶやいた。
「あれ、本当に記者から起こった拍手なんだろうか。事務所の仕込みではなく?」
「会見で記者相手にヤジを飛ばした、カメラを向けた、拍手した方はどの媒体のどなただったんでしょう」
そこから寄せられた情報などを基に、会見に参加した記者らに接触を開始。そんな中、会見に出席していた4名が実名で当時の状況を語ってくれた。
「指名NGリスト」で弾かれた東京新聞・望月衣塑子記者
ジャニーズ事務所が開いた9月7日の会見で、東山紀之社長らに斬り込んだ東京新聞・望月衣塑子記者は、この日も最前列に座って手を挙げ続けたが、最後まで指名されることはなかった。