1ページ目から読む
2/4ページ目

睡眠不足で基礎代謝量も減ってしまう

肥満のなりやすさには「基礎代謝量」が関わっています。

基礎代謝量とは、内臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を調整する上で必要な、生きるための最小限のエネルギー量のことです。

1日の総摂取カロリーが基礎代謝量と同じなら、あまり運動していなくても体はやせやすくなります。

ADVERTISEMENT

ところが、睡眠不足が続くと、基礎代謝量が下がってしまいます。どういうことなのでしょうか?

基礎代謝には「成長ホルモン」が関わっています。

成長ホルモンには中性脂肪を分解し、筋肉の修復をうながす働きがあり、健康で引き締まった身体作りに必要です。

「眠り始めの3時間」が大事

成長ホルモンが出るのは「眠り始めの3時間」の深いノンレム睡眠時だとされています。

この時間帯に深いノンレム睡眠をとれていないと、成長ホルモンの分泌が不十分となり、新陳代謝がうまく行われず、太りやすくなってしまうのです。

熟睡習慣で、睡眠中に成長ホルモンを出し、全身の細胞の新陳代謝を活発にして基礎代謝量を増やすことが、太りにくい体質になる秘訣と言えるでしょう。

睡眠不足で糖尿病発症リスクが高まる

健康な人が高血糖にならずに過ごしていられるのは、血糖値を下げるインスリンがすい臓から分泌され、血糖値をコントロールしてくれるからです。

ただ、睡眠不足だと空腹時血糖値が上昇しやすくなります。その結果、インスリンが大量に必要となり、基礎インスリン分泌能が低下するため、糖尿病を発症するリスクが高くなります。

高血糖が続くと、動脈硬化が進み、心臓の機能も低下してしまいます。

ひとたび糖尿病になると、高い血糖値を下げるために多くのインスリンが必要になります。

その結果、インスリンに対する感受性が低下、つまりインスリンの作用が十分に発揮できない状態になります。この状態を「インスリン抵抗性」と言います。

アルツハイマー型認知症が進行してしまう

また、大量に分泌されたインスリンを分解するために、「インスリン分解酵素」が大量に必要となります。