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相続税の圧縮効果がいずれ使えなくなることを見越したうえで、ちょっと買い物に出るのにもエレベーターでの移動が必須となる上層階での暮らしは、必ずしも住みやすいものとは言えないのではないか、またその住みごこちに比べて価格が高すぎるのではないか、という判断をしている方が多いのかもしれません。

いわゆる普通の分譲マンションの、最上階でもない中層階の少し広めの間取りの部屋に、ひっそりと暮らしているお金持ちはとてもたくさんいます。

生活や通勤の時間コストを節約でき、郊外の豪邸に比べて気軽に友人も呼べ、高額なタワーマンションのようにコストパフォーマンスが悪化していない駅近物件。

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お金持ちとは、こういう“お金だけでは買えない価値”を手にするためなら、そして、それが自分にとって納得いくものであれば、惜しみなくお金を出す人たちです。

お金持ちの情報収集手段

自宅の位置で短縮できる通勤時間と同様に、自分の頭の中にインプットされる知識にも、わかりやすい値札は付いていません。

しかし、繰り返しますがそういう“直接お金で買えないもの”こそが、人生を有利に、安全に生きていくには決定的に重要であることを、お金持ちはよく知っています。

そのため、新しい知識や情報、あるいは最近はやりの「リスキリング」のように、新しい技能やノウハウを身に付けられたり、友人・知人との会話に利用できたりする情報源には、惜しみなくお金を出すのも彼らの特徴です。

そうした情報をいち早く入手するのに手間を惜しむこともありません。ちなみに、お金持ちの方にオススメの情報収集手段を聞くと、ほぼ全員が一致して「本がよい」と答えます。

もちろん人によって違いがありますが、毎月何冊も本を買っている読書家のお金持ちは、実際に非常に多いと感じています。

アメリカのBusiness Management degreeという雑誌に掲載された、読書量を調べた研究データによると、アメリカ人の富裕層のうちおよそ88%は、1日30分以上はビジネス書などの本を読んでいるとのこと。日本も同じ先進国ですから大勢は変わらないでしょう。