これはある種の「もったいない症候群」もあると思います。でも、ホテルのビュッフェでお腹がパンパンになるまで食べれば、金銭的にはお得かもしれませんが、中年太りの改善にとってはぜんぜんお得ではないのです。
そういう食事に慣れてしまうと、なかなか食事量は減らせません。これは私の経験ですが、一度わんこそばを食べてから、すごくお腹がすくようになりました。大きくなったお腹は、なかなか小さくはならないのでしょう。
中年になったら成長期と同じように食べてはいけない
実際に胃袋が大きくなっているわけではありませんが、たくさん食べるのが習慣になってしまうと、少ない量の食事に対して、少なすぎると感じるのだと思います。ここがダイエットの難しさです。
男性は18~22歳くらいまでは、成長を続けます。成長している間は、BMIは上がらない人がほとんどです。
そして成長が止まると、BMIが上がってきます。学生時代にいっぱい食べていた人が、その後も、同じ感覚で食べていると、BMIが22を超えて、だんだん上がるとともに、中年太りを感じるようになるのです。
何も考えないでおかわりをしているような人が、急に食べる量を減らすのはなかなか難しいと思います。
とりあえず、やれることとしては、大盛りやおかわりが無料の店には近づかないこと。ビュッフェのような「食べ放題」の店を避けるようにすることをおすすめします。
たんぱく質を極端に減らしたらダメ
食べる量を減らしても、たんぱく質は減らさないことが大事です。これまで述べてきたように、中年太りを改善するには脂質を減らして、炭水化物(糖質)を食べすぎない程度に減らすのがよいのですが、たんぱく質を極端に減らしてはいけません。
たんぱく質は、筋肉をはじめ、ヒトの体をつくる材料です。そのため、たんぱく質の摂取量が少なくなると、筋肉が崩壊していきます。ですから、必要なたんぱく質はちゃんと摂らないといけないのです。