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もちろん、プロの業者であればそれよりも安い価格で物件を仕入れる機会はいくらでもあると思うが、僕のような一般人でも容易に入手できる物件情報でも、その程度の価格帯の物件はよく見かけたし、300万円程度の価格であれば、大体いつも掲載されていて、数カ月間は広告が出され続けているのが常だった。

築30年弱の庭付き一戸建てが300万円というのは、都心部周辺で暮らす方にとって衝撃的な価格だったようで、僕のブログで初めて大きな注目を浴びた記事も、そうした八街周辺の物件相場や空き家の事情を語ったものだったが、元々はそんな価格の中古住宅は、いわば「安かろう悪かろう」の廉価品にすぎず、立地条件やその他のデメリットを許容できる購入者が現れるまで粘り強く広告に出され続けていたものだ。

千葉県郊外から激安物件が消えた理由

その状況に、はっきりと変化が訪れていると認識したのはいつごろだろうか。

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もしかすると僕がブログを開設した時点で、すでにその変化は進んでいた最中だったのかもしれないが、いつの間にか千葉県北東部の廉価物件は、広告が出されてもたちまち成約してしまうような商品となり、そのうち、以前ならいつでも容易に見つけられたような、200万~300万円の価格帯での売家そのものが、物件情報サイトに登場することはほとんどなくなってしまった。

そのタイミングが、ちょうど新型コロナウイルスによる全国的な行動制限の時期と重なっていたために、こうした限界ニュータウン、限界分譲地の相場価格の上昇が、リモートワークの普及に伴う郊外志向にあると推測する言説を見かけることがあった。

しかし、いくらリモートワークが普及したと言っても、軽井沢のような誰もがリゾート地としてすぐに思い浮かべるような著名な観光地でもなく、「住みたい町ランキング」のようなものにも一切名を連ねてこなかったような千葉の小都市に、いきなりその地の不動産市場を激変させるほど移住者が殺到するものなのか、僕には疑問だった。