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喫煙は避けたほうがいい

ホルモンバランスに悪影響を及ぼす習慣を避けることも重要です。

「ストレス」「不眠」「喫煙」「過度のアルコール摂取」は、ホルモンバランスの乱れをもたらし、男性更年期障害のリスクを高めます。

特に喫煙は避けたほうがいいと思います。私のクリニックを訪れる男性更年期障害の患者さんのうち、約20%が喫煙者です。

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また、「ストレス」の悪影響も見逃せません。

クリニックに訪れる患者さんには、心配性や神経質な性格の方が比較的多いと感じます。

精神的な健康を保つため、ポジティブな考え方や、家族・友人と良好な関係を築くこと、社会的なつながりを持つことを心掛けてください。

症状が劇的に良くなった

前述のAさんは、不調の原因がうつ病ではなく、男性更年期障害だと判明してから、テストステロン補充療法(ホルモン補充療法)を開始しました。減少したテストステロンを注射によって補充する治療です。

また、Aさんは食事や睡眠など生活習慣の改善に取り組みました。ジムに通い、筋トレに励みました。

こうした努力の結果、治療を開始してわずか2カ月で、Aさんの症状は劇的に改善しました。うつ病に悩まされている特に50代以上の男性は、ぜひ以上のことを参考にしていただけたらと思います。

中村 有吾(なかむら・ゆうご)
医師、オトコノクリニック院長
1989年埼玉県生まれ。筑波大学医学類を卒業し初期研修を終了後、大学病院で医師になるも過酷な労働環境のため体調を崩す。その経験から「健康的に働くことの難しさや大切さ」を再認識するようになり、働く人の健康をサポートする産業医へ転向し、2018年になかむら産業医療コンサルティング事務所を立ち上げる。また産業医として更年期障害に悩む男性の多さに気付き、抗加齢医学認定医とテストステロン治療認定医を取得。2023年10月に日本初の男性更年期障害専門クリニック「オトコノクリニック」を開業。