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特に早期がんでは、手術の前後に行う抗がん剤治療が、再発を防止するために大きな役割を果たします。

手術でがんを取り去っても、再発を減らすという意味で、ぜひともやっていただきたいと思います。

なぜなら最初に徹底的にやっておけば、再発しない可能性がかなり高くなるからです。

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逆にいうと、このタイミングは取り返すことはできません。

患者さんが術後の抗がん剤治療に積極的になれないのは、医療側がきちんと説明できていないからという責任もあると思います。

ステージ4で全身に転移していても「末期がん」ではない

紋切型に「末期がん」と言われてしまいがちなステージ4や再発がんも、抗がん剤の進歩によって上手に共存しながら生きていけるようになっています。

私の患者さんで、乳がんが再発、転移した方がいらっしゃいますが、骨転移、リンパ節転移、肝臓転移と、全身に転移し、もう40年も抗がん剤治療を続けておられます。

ですから、ステージ4=末期がんではありません。

これは知っておいていただきたいと思います。ステージ4でも長生きして天寿をまっとうすることはできるのです。

そもそも、がんのステージは国際分類で決められており、7~8年に一度、見直しされます。医療の進歩によって予後がよくなると、ステージが変更になることがあります。

ステージ4といわれていたものがステージ3になる場合もある。

日進月歩が著しい医療の進化により、ステージ4の進行がんでも再発がんでも、自分らしく暮らしていくことが可能なのです。

抗がん剤には「やめ時」がある

ただ、抗がん剤について知っておいてほしいのは、過剰な抗がん剤の使用は避けたほうがいいということです。

なかには抗がん剤を使えば奇跡が起こって、進行がんが治癒するのではないかと考える方もいらっしゃいます。だから、どんなにつらくても我慢して、最後の最後まで抗がん剤を続けたいとおっしゃる場合も多いのですが、それは決して適切ではありません。