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自民党関係者は「茂木氏は自民党内でも『性格が悪い』と揶揄され、世論調査における『次の総裁』としての支持率は低迷しているが、それだからこそ一発逆転を狙って、ハレーションを起こしてでもここまで踏み込んだ発信をしたのだろう。党員票が重要となる今回ならではの戦略だと言える」と分析した。

一方で、石破氏は富裕層への金融所得課税の強化を訴えたほか、小泉氏は選択的夫婦別姓について賛成を表明した。

それぞれの候補が国民の関心を引くために、注目度の高い政策についての舌戦が、これからも繰り広げられる可能性が高い。

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本命は「小泉進次郎氏」だが…

さて、そのような自民党総裁選だが、永田町では小泉進次郎氏を本命視する向きが強い。

第1回投票はこれまで分析した通り、党員票がモノを言うわけだが、決選投票では党員票が都道府県連票47票に代わる一方で議員票はそのままであるため、一気に議員間での支持が重要となる。

決選投票まで進んだ場合、石破氏は非主流派を歩み続けたことが仇となる可能性が高く、高市氏は党内に敵も多い。

それに比べて小泉氏は熱心な味方は多くないものの、敵が少なく、何より彼の刷新感を党の看板にすることで衆院選を乗り切ろうと考える国会議員が多いことから、そのまま総理総裁に上り詰めるのではないかと言われているわけだ。

「選挙に勝つための総裁選び」でいいのか

小泉氏は閣僚経験が環境大臣しかなく、経験不足が指摘されているが、自民党関係者は「彼の後ろには菅氏がいる。菅氏がしっかりと小泉氏をコントロールすれば政権運営も乗り切ることができるだろう」と話す。

しかし、そのような単純な人気目当てで総理総裁が決まる事には不安も大きい。

菅氏がサポートするといっても、外交などでは小泉氏のみで対応しなければならない場面も多いだろう。

はたして誰が次の自民党総裁、そして日本のトップである総理大臣になるべきなのか。

単に次期衆院選を乗り切るということだけでなく、真に日本の国益を考えて、自民党員、党所属の国会議員は判断しなければならない。