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「何度も須藤さんと性交渉をしようとしましたが、勃起せず、挿入できません」

 だが、18年3月末、野崎氏が離婚をチラつかせたことから、須藤は田辺市で同居を開始。そこで弁護側は、夫婦の“性生活”にも踏み込んで言及したのだ。

「高齢の野崎さんは性的機能が不全の状態でした。何度も須藤さんと性交渉をしようとしましたが、勃起せず、挿入できません。それが3月下旬から4月下旬まで続きました。夫婦の交わりは、一度もありませんでした」(冒頭陳述より)

 老いたドン・ファンの悲しい現実を明かしながら、

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「弁護側は、須藤が妻の役目を果たそうとしていたことを強調したかったのでしょう。そのうえで本当に須藤が犯人なのか、そもそも本当に殺人事件なのか、と裁判員に向けて語りかけていました」(前出・記者)

77歳で亡くなった野崎氏

 一方、検察側は自供がない代わりに、須藤の事件前後のネット検索履歴を詳らかに。「完全犯罪」「覚醒剤 死亡」「遺産相続」等、時系列で須藤の思考に潜む“犯人性”を浮かび上がらせる。

「事件の起きた5月、野崎氏はすでに別の女性に入れ込んでいたうえ、須藤の過去のAV出演歴が発覚。検察側は、須藤が離婚されそうになっていた状況も指摘しています」(同前)

 舞台を法廷に移した“ドン・ファン劇場”は続く。