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営業先では邪険に扱われてしまうことが続き、雅彦さんはすっかり萎縮してしまって成績はなかなか伸びません。そのため上司から厳しい言葉を浴びせられることも数多くあったそうです。仕事が終わった後もイライラした気分が解消されず、当時付き合っていた女性に八つ当たりを繰り返すようになり、それが原因で別れることになってしまいました。

仕事でもプライベートでもうまくいかない事が続いたためか、雅彦さんは「自分は周りに迷惑をかけるだけの人間なんだ。必要のない人間なんだ」と責めるようになってしまったそうです。

次第に、不安な気分が一日中続く、よく眠れない、食欲がない、吐き気といった状態に陥り、仕事中に嘔吐してしまうこともありました。体調が優れず仕事に支障が出てくるようになったため、雅彦さんは休職することにしました。休職をするためには病院の診断書が必要だったので、この時(24歳)に初めて精神科を受診。受診の結果、抑うつ症状があると診断されました。

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その後、雅彦さんは自宅で静かに休んでいましたが、仕事に復帰することを考えるだけで不安が大きくなる、落ち着きがなくなる、体が震える、涙が出てくるといった状態になり、復職は不可能と判断。そのまま退職することにしました。

退職後は実家に戻り、両親と一緒に住むことになりました。両親は雅彦さんの状態に理解を示していたため、実家で静かに過ごす雅彦さんに対して口うるさく言うことはなかったそうです。

実家で養生していてもなかなか仕事に復帰できなかった雅彦さんは、医師の勧めで障害年金の手続きをしました。その結果、障害厚生年金の3級を受給することができました。

障害厚生年金の3級は月額換算で約5万円。年金収入があるのはありがたいのですが、月5万円では心もとないと思った雅彦さんは再就職をすることも考えました。

しかし、いざ再就職に向けて具体的な行動を起こすようになると、動悸が起こる、不安で眠れなくなる、食欲が落ちる、何をしても楽しくない、当時の職場での嫌な思い出がフラッシュバックしてしまい体が震えるといった状態に陥ってしまうのでした。