美しい車両と旬の美食、東日本各地の歴史と文化、そして人の温もり。「TRAIN SUITE 四季島」には、ここにしかない出会いが待っている。

TRAIN SUITE 四季島車掌区
髙村和暢さん
「13番線に皆さまの深遊探訪の旅のお供をさせていただきます『トランスイート四季島』が入線いたします」
朝の上野駅にそんなアナウンスが響いた。全室スイートルーム以上という快適な客室、車窓を彩る季節ごとの美しい風景。東日本各地の歴史や文化との出会いと、旬の素材を生かした美味なる食。あまたの感動体験が心を満たすクルーズトレイン、それがJR東日本の「トランスイート四季島」だ。
そして、出発から到着までその旅に寄り添ってくれるのが、専属車掌をはじめとするスタッフたち。
「お客さまにとってはただ一度となるかもしれないクルーズ。すべてのお客さまに『楽しかった!』と笑顔でお帰りいただけるよう、一回一回の乗務を本当に大切にしています」
そう語るのは、「トランスイート四季島」専属車掌の一人、髙村和暢さん。通常の車掌業務と異なり、「トランスイート四季島」の接客は一対一。そのため、専属車掌はまず関連ホテルでホテルマンとしての実習を受けるという。


もちろん、列車の詳細や旅程で巡る地域の歴史・文化、絶景ポイントなど、お客さまが望むであろう情報と知識は十分養わなければならない。身につけるべきものは多々あるが、最も必要なのは、お客さまが何を望んでいるかに気づける“目”だと髙村さんは言う。
「車掌の話が楽しみという方もいれば、ご自分の話を聞いてほしい方もいる。興味の対象も人それぞれです。お客さまが次に求めるものは何か、一挙手一投足に目を配り、常に考えています」

そんな髙村さんだからこその思い出がある。娘との旅を予約していた男性が直前に病を得てしまい、代わりに妻が乗車した時のことだ。
「お嬢さまが展望車両でお父さまと電話をされていたので、『よろしければテレビ電話にされては』とお声がけしました。外の景色が見られれば一緒に旅をしている気持ちになれるのではと」

男性は非常に喜び、回復後、『あの車掌さんと一緒の旅を』と再び同じコースを予約してくれたという。
「テレビ電話で見た景色を実際に眺め、『これを自分の目で見られて良かった。乗って本当に良かったよ』とおっしゃったのが忘れられません。『トランスイート四季島』とは、出会いそのもの。お客さまにとっても、私たちにとっても、この列車に乗らなければ巡り会うことのできない人や思い出に出会える場だと思います」

上野駅に入線してくる「トランスイート四季島」を、髙村さんたちは敬礼をもって出迎える。まごころあふれるそのまなざしが、特別な旅を深く豊かなものへと導いてくれる。

※天候や運行状況等によりご覧いただけない場合がございます。
「TRAIN SUITE 四季島」
ツアーデスク
TEL 0570-00-7216
※ナビダイヤルを利用できない場合、tel.03-6231-7216
営業時間:10時~17時30分
休業日:水・土曜、年末年始、特定日
https://www.jreast.co.jp/shiki-shima/
提供:JR東日本 ※写真はすべてイメージです。
写真:志水 隆
デザイン:今井千恵子(Rondine Inc.)


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