1月22日に開かれた、新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」。ひときわ注目を集めたのが、天皇皇后の長女・愛子さまだ。昨春に大学を卒業し、初めてのご参列だった。
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雅子さまのお召し物を仕立て直して、受け継がれた
歌会始選者であり、皇室の和歌の相談役である御用掛も務める歌人・永田和宏氏が振り返る。
「愛子さまの初めてのお出ましを楽しみにしていました。すっとして、とても気品のあるお姿でした。お召し物も本当によく似合っておられた。愛子さまが入られたことで一挙に座が華やいだ気がしました」
愛子さまは、クリーム色のロングドレスに帽子を合わせた正装でご登場。実は、
「フリルをあしらったジャケットが特徴的で、見覚えが。雅子さまが2019年ごろまで、式典などで着ておられたものとそっくりなのです。仕立て直して、受け継がれたのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
「『夢』といえばこのこと」愛子さまの強い思いを感じた
今年のお題「夢」では、こんな歌を詠まれた。
〈我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢〉
学習院大を卒業し、友人と各々の夢に向かって励むことへの感慨がこもる。
「学生生活を振り返って、ではなく、前を見つめた友情と志のお歌という点が新鮮です。無限の可能性を感じさせ、お題のイメージを爽やかに生かしています」(選者・三枝昂之氏)
永田氏は「夢」の詠み方に、愛子さまの強い思いを感じたという。
「愛子さまは、今年は3首ほど考えてこられましたが、全て『卒業し友人と互いの夢に向かう』という、同じ場面のお歌でした。『夢』といえばこのことだと、心に決めておられたようです」
日ごろ、皇族方とは、メールでやりとりをすることが多いという永田氏。ご一家の団らんが浮かぶような、こんなエピソードがある。
「天皇陛下は、皇后さまの歌も『一緒に見てください』とメールで送ってこられます。愛子さまの歌についても言及されていた。ご一家で、見せ合いながら作っておられるのでしょう」